イスラエル、ガザ南部から大半の部隊撤収 ハマスの襲撃から半年、遺族らはいまも悲しみの淵に
イスラエルは7日、パレスチナ自治区ガザ南部から1個旅団を除く大半の兵士を撤退させたと発表した。軍報道官は人数や理由など詳細を明らかにしていないが、ガラント国防相は兵士らがガザでの将来の作戦に備えることになると述べた。 今年に入ってからイスラエルは予備役の負担低減のため、ガザに投入する人員を削減している。また最大の同盟国である米国は、先週発生した人道支援活動家の殺害以降、人道状況の改善に向けた圧力を強めている。 一方、エジプトは停戦と人質解放の合意に向けた新たな協議の開催を準備している。イスラエル、イスラム組織ハマスの双方とも参加の意向を示している。 イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスがガザで拘束している人質を全員解放するまで、停戦に同意することはないと述べた。これに対しハマスは何らかの合意には、完全かつ包括的な停戦、昨年10月以来イスラエル軍が占領した地域からの完全撤退、ガザ全域における住民の移動の自由を確保する必要があると主張している。イスラエル軍の攻撃はこのところ、ガザ南部に集中している。 イスラエル側の集計によると、ちょうど半年前に起きたハマスの襲撃により約1200人が死亡し、250人超が拉致された。 悲劇の現場の1つとなったのが、イスラエル南部で開催されたこの音楽フェスティバル会場で、300人以上が殺害された。娘を殺害されたエレズ・ザルファティさんは、事件から半年たった7日、現場を訪れた。 娘を殺害された エレズ・ザルファティさん 「私の娘は22歳だった。わが軍の大変勇敢で特別な兵士たちのほとんどは、18歳から21歳の子供たちだ。だからこれは子供たちの戦争なのだ」 ガザ保健省によれば、イスラエルの攻撃で3万3000人以上のパレスチナ人が死亡した。エジプトとの境界に接するガザ南部のラファは、100万人以上のガザ市民にとって最後の避難場所となっている。