運も味方? ピーター・マルナティが涙・涙の9年ぶりV。「諦めかけたこともあった」と男泣き
ビッグイベントのはざまでおこなわれたPGAツアーのバルスパー選手権でハットと黄色いボールがトレードマークのピーター・マルナティが9年ぶりに復活優勝を遂げた。15年のサンダーソンファームズ選手権以来のツアー2勝目を目前に、5センチのウィニングパットを沈める前から万感の思いが込み上げ涙・涙。長男ハッチャー君を抱き上げると泣き笑いの表情でインタビューに応じた。
待ちに待った瞬間だった。「20代の強い若手が主流になって自分(36歳)はもうお呼びじゃないのかと思って諦めかけたけれど頑張って良かった」と嗚咽を漏らしたマルナティ。 今季は7試合に出場し予選落ちが4回。コグニザントクラシックで9位タイに入ったものの本人も認める通り調子が良いとは思えなかった。 しかし今週は飛距離が足りない分を正確なアイアンショットで補い、最終日は好調なパットで10番から3連続バーディを奪ってトップに躍り出た。 運も味方した。インスブルック・リゾートの上がり3ホールはスネークピットと呼ばれる難ホール。その難しい17番でマルナティはセカンドショットをグリーンサイドの深いラフに打ち込んだ。 ボギー覚悟か、と思われたが幸運にも動かせない障害物スプリンクラーヘッドがスタンスの邪魔になったため無罰で1クラブレングスにドロップが許可された。ボールがすっぽり埋まったラフからグリーンカラーへ。寄せワンも困難な地獄から天国への生還だ。 「あの場面が大きかった」と3打目をピンそば2メートルに寄せてパーをセーブ。18番でバーディトライが外れたがすでに2位のキャメロン・ヤングとは2打差あり、5センチのパーパットを沈め栄冠に輝いた。 週のはじめにはプレーヤーズディレクターのひとりとしてタイガー・ウッズやパトリック・カントレーらとともにバハマでおこなわれたPIF(サウジアラビアの政府系ファンド)とのミーティングに出席。有名選手に混じってディレクターの立場にあるのはライバルたちから信頼されている証拠でもある。 ビッグイベントのはざまとはいえザンダー・シャウフェレやジャスティン・トーマスらビッグネームも顔負けのゴルフで勝ち獲った勝利に「家族や応援してくれた人々に感謝しかない」とマルナティは顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
川野美佳
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