俳優・金子ノブアキが最近起きた“恐怖体験”明かす「寝てたら窓から“ゴン!”と聞こえて……」
――金子さんはその場でアドリブを入れるなど、即興で演じられるタイプですか? 場合によりますね。1回しかできないときやトラブルが起こってしまったときは、とにかく演技を止めないようにはしています。カットがかかるまで、あるいは怒られるまでは絶対に(笑)。もう明らかに自分がミスしたときは、ごめんなさいって自ら止めてしまいますけど。そうじゃない場合は、台本通りでないハプニングが起きたとしても、カットがかかるまではアドリブで演技を続けます。
映像作品はコトコト煮込んで完成するもの
――「金子さんはミュージシャンでもあるので、一瞬でものすごいエネルギーを出す演技ができる」と内田監督が仰っていました。演技と音楽とで、込めるエネルギーに通ずるものはありますか? それはあるかもしれないですね。ドラマーとしての僕のプレイスタイルは、決して行儀が良いものとは言えない。その場の雰囲気を感じ取り、2~3秒で爆発的なプレイが必要なこともあるので、それは演技とも共通しているかもしれません。 ただ、映像作品は弱火で煮込んで完成させていくものなので、そういう意味で少し苦労した部分もあります。コトコト煮込んでつないで、また煮込んでつないで……知らない人が見たら、「こいつら何十回同じことやるんだ」って驚くほど、たった何十秒のシーンをじっくり煮込んで、ようやく完成する。ステージ上でのライブだったら3秒もあれば爆発的なエネルギーを生み出せるところを、撮影はテイクを重ねるので、逆算してできるようになるまでに時間がかかりました。 でも演技の経験を重ねていくうちに、だんだんと逆算できるようになってきて。ここは力を入れてやった方がいいなとか、逆に温存しておこうとか。現場では結構自己申告しながらやっています。 ――最後に、『マッチング』を楽しみにしている方へ、メッセージをお願いします。 本作はサスペンス・スリラーというか、サスペンス的な要素を盛り込みつつ、エンタメ色も強く打ち出している作品です。試写で観たとき、心の中でとツッコミを入れるシーンがいくつもありました(笑)。でも、監督はきっとそれを逆手にとって、丁寧に作れるはずのシーンを敢えてそうしていない。その緩急が、新感覚サスペンス・スリラーとして楽しめる部分でもあると思います。
金子ノブアキ
かねこのぶあき 1981年6月5日生まれ。東京都出身。近年の出演作としてNetflix『Followers』(’20)、NHK連続テレビ小説『エール』(’20)、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(’20-21)、Netflixシリーズ『今際の国のアリスseason1,2』(’20,21)、DMM TVオリジナルドラマ『EVOL(イーヴォー)~しょぼ能力で、正義を滅ぼせ。~』(’23)など、多くの映像作品に出演。ロックバンド・RIZEのドラマーとしても活動し、映画の音楽監督を務めるなど多岐にわたって活躍している。