地元の味覚が楽しめる“役所メシの旅” ── 「蒸し鶏と練馬大根サラダ」
育成事業で練馬大根が復活
明治初期には東京府(当時)のたくあん生産額の80%以上を練馬地方が占めるなど、明治から大正時代にかけてさかんにつくられた練馬大根だったが、昭和に入ると干ばつや病害虫の影響で生産が減少傾向に。1945(昭和20)年に戦争が終わると、大口需要家だった旧日本軍の解体や耕地の宅地化などにより、練馬大根の生産はすっかり衰退してしまった。 これに対し、区では1989年より、練馬大根を復活させるべく、JA東京あおばや生産者との連携による「練馬大根育成事業」をスタート。区内の生産者に練馬大根の生産を委託し、収穫された練馬大根を各種イベントや学校給食などに用いて、魅力をPRする同事業は今も続く。今年度は18軒の生産者に委託し、約1万4100本の収穫を予定する。
その一部を使い、職員レストランでの限定メニューを提供しはじめたのは、2012年。好評を博しており、昨年は連日完売。今年も、取材前日の14日のメニューは完売だったという。区の都市農業担当部 都市農業課 農業振興係の梶山奈緒さんは、「他の職員にも練馬大根のおいしさを知ってもらって、一緒にPRできれば」と練馬大根メニュー提供による好影響を期待する。 職員レストランは平日午前11時~午後7時営業で、定休日は土日祝日。区の職員以外でも食事が可能。練馬区役所へは、西武池袋線・西武有楽町線練馬駅西口から徒歩5分、都営地下鉄大江戸線練馬駅から徒歩7分。また、JR中央線中野駅や荻窪駅北口などからそれぞれバスが利用できる。 (取材・文:具志堅浩二)