総合力の高さは示し、出雲駅伝6位の早稲田大 伊藤大志主将「チームができあがる最後のピースは、僕と智規の走り」
「戦力を整えるために、まずは自分のことに集中」
早稲田大は、全体で2時間9分10秒を設定タイムにしていた。今大会で優勝した國學院大のタイムは2時間9分24秒。あくまで数字上は、各自が目標通りにレースを進められていれば優勝できた可能性はある。少なくとも、先頭争いはしていただろう。花田監督は「エースに頼った走りではなくて、総合力で6位まで来られたので、そこは一つの収穫」と言い、「3番以内を狙うんだったら、ちゃんとエースがエースの仕事をしないと、そういう駅伝にはならない」と課題を口にした。 もちろんその指摘は、伊藤も心得ている。本人に後半区間を担った3選手の走りについて尋ねると、「刺激になりました。チームの結果は求めていたものよりも低くなってしまいましたけど、その中での安心材料が見られたと思っています」と答えた。この”安心材料”という言葉が、チームのことを第一に考える伊藤をよく表している。時にこちらが、チームを背負いすぎていないかと心配になるほどだ。 「駅伝主将としてチームを引っ張らなきゃという気持ちはすごく強いですし、大事な役割ですけど、思った以上にチームがしっかりしてくれているので、このチームができあがる最後のピースは、僕と智規の走りなのかなという考えに変わってきました。チームのことは、いったん後輩たちにも任せられると思えるぐらいに走ってくれたので、今度は自分の走りに集中して、立て直さないと。チームの戦力を整えるために、まずは自分のことに集中しようと思います」 選考会からはい上がった全日本と前回は出走できなかった箱根で、主将がどう巻き返してくるか。楽しみに待ちたい。
第36回 出雲全日本大学選抜駅伝競走
10月14日@島根・出雲大社~出雲ドームの6区間45.1km 優勝 國學院大學 2時間09分24秒 2位 駒澤大学 2時間10分04秒 3位 青山学院大学 2時間10分24秒 4位 創価大学 2時間11分47秒 5位 アイビーリーグ選抜 2時間12分18秒 6位 早稲田大学 2時間12分23秒 7位 城西大学 2時間12分34秒 8位 帝京大学 2時間13分35秒
井上翔太