ドイツ連立政権が崩壊、来年3月に前倒し総選挙へ 予算案巡る亀裂が引き金に
ドイツのショルツ首相は6日、第3与党、自由民主党(FDP)のリントナー財務相を解任すると発表し、連立政権は崩壊した。来年3月、前倒し総選挙が行われる見通しとなった。 ショルツ氏は6日、連立崩壊を受けて来年1月15日、連邦議会で信任投票を求めると明らかにした。首相が不信任を突き付けられれば、大統領が議会解散を決め、総選挙の実施が決まる。議会の任期満了に伴う総選挙は、来年9月に予定されていた。 リントナー財務相の解任の引き金となったのは、2025年度予算案を巡る連立内の対立。公共放送ARDによると、ショルツ氏は6日の記者会見で「リントナー氏は予算案を巡る合意を一方的に破った。彼は党の政治を持ち出し、私の信頼を裏切った」と非難した。リントナー氏は「首相には国に新たなスタートを切らせる力がない」と述べ、前倒し選挙に前向きな姿勢を示した。 連立政権はショルツ氏の社会民主党(SPD)、第2与党「緑の党」、経済界に近いFDPの3党連立で、2021年に発足。FDPは財政規律を厳格に適用すべきとの立場で、中道左派の2党とは経済政策で当初から隔たりがあった。(ブダペスト 三井美奈)