ド・クォン氏とテラフォーム・ラボに53億ドルの罰金を科すべき──SECが裁判で求める
SECは反省の態度がないと主張
SECは、高額な金銭的ペナルティに加えて、テラフォーム・ラボとクォン氏がさらなる証券違反を犯すことや「なんらかの暗号資産証券」を売買することを防ぐ差し止め命令と、クォン氏に対する役員・取締役就任禁止も求めている。役員・取締役就任禁止が認められれば、クォン氏はSECへの報告を行う公開会社の役員や取締役を永久に務めることができなくなる。 SECは、「被告らは自らの行為に対して反省の姿勢を示しておらず、さらなる違反が発生する可能性があるだけでなく、すでに発生している可能性が高い立場にあることも疑いの余地がない」として、こうした措置は将来の違反を抑止するために必要だと述べた。 SECは、テラフォーム・ラボの現CEOであるクリス・アマーニ(Chris Amani)氏が9日間に及んだ裁判で証言したことを特に問題視しているようだ。アマーニ氏は、テラフォーム・ラボが製品の「構築に依然として取り組んで」おり、トークンの販売を続けていると述べていた。 SECはアマーニ氏の証言を「再犯の可能性を率直に認めたもの」とし、さらに「テラフォーム・ラボの新CEOは驚くべきことに厚かましい態度で証言台に立ち、テラフォーム・ラボが自社のトークンの新バージョンであるLUNA 2.0を被害者に配布したことを挙げて同情を集めようとした。その間ずっと、投資家から得た数百万ドルを使い続け、こうした未登録の証券のさらなる配布に関与し続けた」と主張した。
テラフォーム・ラボの主張
テラフォーム・ラボはSECと同じ日に提出した申し立ての中で、裁判所はSECに対して差し止めによる救済や不当利得の返還を認めるべきではなく、アメリカで発生したとSECが証明できる違反ごとに「適切な民事罰」のみを認めるべきだと主張した。 アマーニ氏は裁判で、現在破産状態にある同社には約1億5000万ドル(約232億5000万円)の資産が残っていると証言した。 テラフォーム・ラボの代表者はCoinDeskのコメント要請に応じなかった。