たかが椅子! されど椅子! 「 水上バイク で "釣り" 」が 快適に進化した。 360度回転する"スイベルシート"を 標準装備した「 FISH PRO Trophy 」
水上バイクに「スイベルシート」が付いて、より快適に釣りができる
新しいモデルが発表されるたび、シードゥは「あったらいいな」を“形”にしてくれる。 釣りに特化した装備の「FISH PRO Trophy(以下、トロフィー)」にも、今回新しく「スイベルシート」が標準装備された。 スイベル式のシートは、フィッシングボートでは お馴染みだ。「クルクル回る背の高いシート」といえば分かるだろう。 椅子に座ると目線が高くなり、さらにシートが360度回転するため、どの方向でも 釣り糸を垂らすことができるスグレモノである。
実は、海外仕様の「FISH PRO Trophy」では、2022年モデルからスイベルシートが装備されていた。日本での導入が遅れていたが、ようやく標準装備されることになった。 このおかげで、水上バイクのシートに座ったまま、座席を360度回転して釣り糸を垂らすことができるようになったのだ。
後部シートがそのまま「スイベルシート」に早変わり
トロフィーの「スイベルシート」の特筆すべき点は、平時はパッセンジャーシートである「 後部座席 」を、そのまま「スイベルシート」として使えること。 使うときだけシートを取り外して、付属の支柱に差し込むだけで、簡単に「スイベルシート」になるのだ。
当初、私はこの「スイベルシート」はオプションで 販売されるものだと思っていた。 いくら便利でも、水上バイクに こんな背の高いシートを持っていくとしたら、かさばるし、置き場所にも困る。 もしこれが 「シート単体」のオプション販売だったら、購入するだろうか? いくら便利とはいえ、釣りのために、わざわざ 別の椅子を買い足すのか? あんなに大きなものを、水上バイクのどこに積み込むのか? 結局、使わずに終わって、無駄遣いになるような 気がする。
ユーザー目線で“欲しい”ものを 形にした
スイベルシート最大のメリットは、座面が回転することによる“糸ヨレ防止”だ。魚とのファイトをいなし、バレ( 魚に逃げられる )にくくする効果もある。 半面、スイベルシートではないほうがいい水面もある。 水面で簡単にシートの取り外しが できるのなら、釣り場によって変えられる。 このスイベルシートの素晴らしさは、「 パッセンジャーシート 」を 流用していることだと先に書いた。 組み立てに必要になるのは、支柱と背もたれであるが、それを収納する 専用場所も 用意されている。 使うも 使わないも ユーザーの自由。 この柔軟性こそが、「 BRP 」という会社の “物づくり精神”なのだろう。