弘前―大館能代空港結ぶシャトル便 運行上々 25年度も継続の意向
弘前さくらまつりや弘前ねぷたまつりなどの「弘前四大まつり」期間中に、青森県弘前市と大館能代空港(秋田県北秋田市)を結ぶシャトル便の運行が2024年春から始まり、上々の滑り出しを見せている。25年度も運行を続ける意向で、関係者は大館能代空港を青森空港に次ぐ「第二の空の玄関口」に育てることに手応えを感じている。 シャトル便を運行しているのは「大館能代空港利用促進協議会」。秋田県だけでなく、弘前市など青森県と岩手県の計20市町村を中心に構成し、空港ターミナルビルや全日空などもメンバーに入っている。 シャトル便はジャンボタクシーなどを使い、空港と弘前市の弘前公園隣にある津軽藩ねぷた村を片道70~80分で結ぶ。料金は1人3千円(税込み)。24年4月に弘前さくらまつりに合わせて初めて運行したところ延べ179人が利用。弘前ねぷたまつりでは延べ49人に上った。企画・運営を担うターミナルビルには「25年も運行するのか」といった問い合わせが多数寄せられているという。 しかし、24年秋の菊と紅葉まつりでは運行11日間で利用者が延べ9人にとどまり、「効率化」が課題になっている。大館市の担当者は「祭りによって来場者の数に差がある。週末だけにするなど検討の必要がある」と語る。利用者増に向け、ターミナルビルはインバウンド(訪日客)を新たなターゲットに、英語で入力できる申し込みフォームをサイトに設けた。 空港には現在羽田便のみが就航している。22年7月に1往復増便し1日3往復になってから利用者が増え、23年度は年間利用者が17万人を超え過去最多となった。 24年12月18日には弘前市の職員2人を含む約15人のメンバーが、空港の乗り降り口で約130人にサンふじ2個と、シャトル便などを宣伝するチラシを手渡し「リンゴのまち弘前」をPRした。弘前市国際広域観光課の古川開さんは「大館能代空港に関する首都圏の人たちの認知度が徐々に高まっている。青森空港に続く、第二の空の玄関口になってくれれば」と話した。 ターミナルビルの簾内(すのうち)祥子総務課長は「青森のいろいろな場所を県外の人に観光してほしい。そのため、まず大館からのシャトル便で弘前まで足を延ばしてもらうことを目指している。弘前の魅力に触れ青森の良さを知ってもらい、また青森へ来てもらいたい」と語った。