わずか300台の[中谷チューン]を覚えているか? [FTO]の特別仕様車に込めた想いを本人がカミングアウト!!!!!!!
■中谷仕込みの条件とは?
しかし、そう簡単に進まなかった。「NAKAYA TUNE」のメニューとして、パジッド社のブレーキパッドとビルシュタイン・アイバッハのダンパー・コイルを搭載すること。 高性能タイヤ、高機能エアクリーナー装備を提案したのだが、それらを実装すると部品代だけで100万円近くコストがかかってしまう。部品代総額を50万円以下にしなければならず、そのための施策を考える必要があった。 そこでブレーキパッドはセカンドベストのAP社製を提案。パワーアップしてスリックタイヤでのサーキット走行をメインに考えなければ、AP社製はバランスがよく、ブレーキ鳴きも解消される。試験走行で結果良好で採用が決まった。 サスペンションはシングルチューブのビルシュタイン社製は耐久性で問題があり、オーリンズ製を手組みチューニングすることになる。チューニングを手がけたのはニューツーリングレースで一緒に組んだステラ・レーシングから独立したBBR社だった。 300台+予備のダンパーを手組みするのは本当に大変だったと思う。こちらも実装走行テストで狙った通りの走行フィールが確認できて採用された。 スプリングは35ミリ車高を下げる狙いでバネレートをあげ、ダンパーとマッチングさせた。他にはテスト&サービス社のエアロパーツやオールステンレス製マフラーを装備し、「NAKAYA TUNE」ロゴステッカーを貼付して仕上げられた。オプションパーツセットとして300台分が用意され、GPX・GP・GRグレードに装着可能だった。 「NAKAYA TUNE」公開直後に新型FTOがアナウンスされ、大半のユーザーは当然のごとく新型に流れたが、一部のユーザーに支持されて300台は完売。今は中古車市場でも見かけなくなってしまったが、英国では「FTOオーナーズクラブ」で評判が高まり、プレミアム価格でその価値が語られていると聞いた。