【記者解説】都議補選全9選挙区の行方は?
立憲・共産はどこまで食い込める?都民ファの今後の存在感は?
立憲と共産党はすみ分けをしているようですが、どの選挙区に可能性があるでしょうか。 後藤氏は、立憲・共産に「勢いがあった」ものの、知事選が告示されてからか、少し勢いが衰えていると指摘します。蓮舫氏の勢いがいまひとつ加速できていないことが、影響を及ぼしているのではないかと分析します。 MC鈴木「構図だけ見ると、足立区や南多摩(多摩市・稲城市)は(立憲・共産の)可能性があると思うんですが」 後藤氏「足立区の自民党の候補者はちょっと決め方が一枚岩ではなかったようだ。立憲の候補者は近藤やよい区長に近しいというアピールもしており、そういった意味では有力な候補かなあ」 都知事選の告示直前に選挙が決まった南多摩(多摩市・稲城市)ですが、今回の立候補者は3名とも多摩市が地盤の模様。2022年多摩市長選で善戦し、知名度もある都民ファの遠藤ちひろ氏(多摩市議)に、立憲の岩永ひさか氏(多摩市議)がどう戦いを挑むか、稲城市をどう取り込むかといった構図が予想されます。 品川区は自民・立憲のほか、無所属で森沢恭子区長が推しているしのはらりか氏が立候補しています。「構図だけ見ているといい勝負になりそうだが、品川と府中はわからない」と2人は首をひねります。 後藤氏「府中は自民の地盤は地盤なので……そういった意味では基礎票は強いんですよね」 MC鈴木「ごめんなさい、府中は(自民・無所属・無所属で)構図が変なんですよね。いろいろご事情があるのだと思うのですが」 以上、9選挙区を見てきましたが、全体を通して都政に与える影響は大きいでしょうか。 第1党派に関しては「自民も都民ファも知事与党なので、知事が変わらない限りは都政の大勢には影響はない」というのが後藤氏の見立てです。 後藤氏「ただし、会派間の力学は影響してくると思っています。山崎さんや荒木さんといった要が議会に戻ってくるかがポイントになります」 後藤氏は、小池都知事が自民党と距離を近づける中、都民ファが都議会で小池都政を支える存在感が問われるだろう点に注目します。 MC鈴木は、小池都知事にとっての最適な戦略と、都民ファにとっての戦略が異なると指摘します。 MC鈴木「小池都知事にとっての最適な戦略は、自公都ファで議会運営をするのが一番安定する。しかし、都民ファからすると、自公と都民ファが同一化、近づいていく構図になりやすい。都議補選、都議本選だと自公と戦わなければいけない、差別化を図らなければいけない中での戦略は見ていてかなり難しいというか、たいへんなところだなと思います」 後藤氏も「もともと、アイデンティティに反自民みたいなところがあった」と指摘する都民ファ。議席数もさることながら、会派としてどう立ち回っていくかが、今後のポイントになりそうです。