2児のパパになった植竹勇太 シード権争いで奮闘「そろそろやらないと」
<ダンロップフェニックス 初日◇14日◇フェニックスカントリークラブ (宮崎県)◇7042ヤード・パー71> がっちりと握手をかわす英樹&遼【写真】 「久しぶりにピンに向かって飛んでくれました…」。ダンロップ契約選手でホストプロの植竹勇太は、思わず安堵の表情を浮かべた。今シーズンは思うようなプレーができず、現在の賞金ランキングは92位。来季の「職場」を確保するためにも、大事な一週間に臨んでいる。 これまで、「フェアウェイキープ率はいいのに(セカンドショット以降で)どうしても逆球が出たりして大変でした」。今季、フェアウェイキープ率は『69.196%』の2位を記録しているなかで、パーオン率が『64.556%』の75位と、あと一歩噛み合わない状態が続いていた。 この日は4バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「70」でラウンドも、久々に手応えを感じた。要因のひとつは「パターが良くなったのが大きいかもしれません。プレッシャーを感じることなく、気楽に狙えるようになったんです」。パッティングに対する安心感が増し、ショットに対してもプレッシャーがかからなくなった。その気持ちの余裕から「今年初めてくらいにピンに向かって打てた」と、ショットに復調の兆しが見えた。 12番パー4のセカンドショットで大きく左に曲げてしまい、ダブルボギー。続く13番もボギーでスコアを落としてしまい、後半は「37」。それでも、その他でパーオンを逃したホールではしっかりとリカバリー。「ショットの調子は悪くない」と表情は明るい。 そして、今大会と次戦の「カシオワールドオープン」は、シード権をかけた大事な試合。「そろそろやらないと」と腕をまくる植竹だが、まずは目の前のプレーに集中すべく平常心を保つ。「あまり考えず、今できるプレーをしっかりやりたい」。 さらに、一家の大黒柱となった植竹にとって、今まで以上に“シードは大きな意味を持つ。10月に次女が誕生し、いまは2歳の長女・乃愛(のあ)ちゃんと0歳の次女・音羽(おとは)ちゃんを持つ2児のパパ。「今週も高額大会なので、子どものおむつ代を稼がないと」。一家の“稼ぎ頭”としてゴルフのモチベーションは高まるばかりだ。 「ショットは悪くないので、グリーンの練習も増やしてパターのイメージを維持したい」。今シーズンもエリートフィールドとなる最終戦を除けば、今大会を含め残り2戦。ここに来て復調のキッカケを掴んだ植竹勇太が“シード権獲得”に向けた最終章へ突き進む。(文・高木彩音)