高校のグラウンドにヘリコプターが緊急着陸 エンジントラブルで降下、けが人なし 相生
10日午後4時ごろ、相生市野瀬の相生学院高校のグラウンドに、民間のヘリコプターがエンジンの不具合で緊急着陸した。生徒はおらず、搭乗していた男性2人にもけがはなかった。国土交通省は事故につながりかねない重大インシデントと認定。運輸安全委員会に派遣された航空事故調査官2人が11日、現地調査を開始した。1年以内に報告書をまとめたい考えという。 【動画】運輸安全委が調査 国交省などによると、ヘリは岡山市の航空会社「匠航空」が運航する「ロビンソンR44」で、愛知県豊山町の名古屋飛行場から岡山市の岡南飛行場に向かう途中でエンジンの出力が低下。緊急事態を宣言し、パイロットが安全を確認して着陸した。学校には通知していなかった。 派遣された白瀬正健航空事故調査官は、エンジンを中心にプロペラを回す駆動系の機器や計器類も調べると説明。機体の状況などを確認し、学校関係者からも当時の状況を聞き取った。 相生学院高によると、校内には当時、教員が数人おり、ヘリが校舎をかすめて降下する様子を目撃した。飯塚敬総務企画室次長は「大きな音も聞こえず、農薬を散布するヘリかと思った。もし校舎に激突していたらと思うと怖い」と振り返った。 匠航空を巡っては、2017年に運航中のヘリが燃料不足になり京都市の学校グラウンドに着陸、重大インシデントに認定された。今年5月にも熊本県阿蘇市で遊覧ヘリが不時着して搭乗者が負傷、航空事故に認定されるなどした。