ツキノワグマ「小熊」死ぬ 34歳、台湾最高齢
(台北中央社)台北市立動物園は27日夜、同園で飼育していたツキノワグマ「小熊」が同日夕方に死んだと発表した。台湾の動物園で飼われているツキノワグマとしては最高齢で、人間の年齢に換算すれば100歳を超えているという。 小熊は1989年10月末に北部・新北市の男性から同園に届けられた。当時は生後約2~3カ月。男性は小熊が阿里山の道端でかごの中に入れて売られているのを見つけ、これを見かねて自腹で購入。より良い環境で飼育されればとの願いから同園に寄贈したという。 同園によれば、屋外で暮らす一般のツキノワグマの平均寿命は約25歳。小熊も高齢になるにつれて他の高齢動物と同様、脊椎疾患や関節炎、高血圧などが現れるようになり、近年は園内の高齢ツキノワグマ用獣舎でのんびりとした生活を送っていた。 24日夕方に飼育員が小熊の動きが鈍くなっているのに気付き、翌日には下半身を動かせない状態にまで悪化。病院で検査した結果、脊椎の贅骨形成と椎間板疾病が認められた。2日間にわたり救急治療を行ったものの、状態は好転せず、医療チームは小熊の年齢を考慮した上で延命治療を終えることを決めた。 園によれば、小熊はふかふかの干し草のベッドに横になり、これまでに小熊を担当した全ての飼育員に見守られながらこの世を去ったという。 (陳昱婷/編集:名切千絵)