真田広之が『SHOGUN 将軍』の成功を日本語で感謝 エミー賞授賞式のスピーチをおさらい
真田広之がプロデューサー、主演男優として悲願を達成
『SHOGUN 将軍』の主人公で、真田広之演じる吉井直虎は、徳川家康をモデルとした戦国武将だ。実直で仁義を重んじる彼は、太閤の死後、その後釜を狙うほかの大名たちと対立していく。 主演男優賞発表で名前を呼ばれた真田は、大きく頷いたあと、共演者や制作陣と熱い握手を交わし、壇上へ。緊張した面持ちながらも、堂々とした態度でスピーチを始めた。「この場に立てることが本当に光栄です」と話した彼は、「FXやディズニー、Hulu、私を信じてくれてありがとう。チームもいつも私をサポートしてくれてありがとう。そして全てのクルーやキャスト、あなたたちを誇りに思います」と感謝を述べた。「これは東と西がお互いに敬意を持って出会う、夢のプロジェクトでした」とつづけ、「難しいチャレンジではありましたが、みんなで一致団結して、奇跡を起こしました」と感慨深げに述べた。そして「私たちはより良い未来を作ることができます」とスピーチを締めくくった。 いよいよ作品賞が発表されると、会場から大きな拍手が起こり、スタンディングオベーションに。そのなかを西岡徳馬や浅野忠信、平岳大らが肩を組んで登壇し、ほかのクルーやキャストもあとにつづいた。最初に製作総指揮のジャスティン・マークスがトロフィーを受け取り、FXなどの制作会社への感謝とキャストやクルーへの称賛を述べたあと、彼は真田にトロフィーを渡し、スピーチを促した。彼は「手短に日本語でスピーチさせてください」と言ったあと、以下のようにつづけた。 「これまで時代劇を継承して支えてきてくださったすべての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は、海を渡り、国境を超えました」 スピーチの終盤、声をつまらせた真田だったが、マークスが日本語で「ありがとうございます」と言うと、「Thank you very much!」と力強い声でつづける感動的なシーンも見られた。 一方、リミテッドシリーズ作品賞のプレゼンターとして登場したガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが、昨今エミー賞のテレビ中継の視聴率が下がっていることを説明し、スペイン語で候補者を紹介する一幕も。エミー賞はアメリカのテレビの祭典だが、近年は配信ドラマのノミネートが増え、視聴者は世界中に広がっている。今回の『SHOGUN 将軍』の躍進にも見られるように、英語作品以外も多くの視聴者に親しまれるようになっているのだ。エミー賞もテレビシリーズのクオリティの向上とともに、進化していくことが期待される。 日本を舞台にした時代劇で、ほぼ全編日本語で製作された『SHOGUN 将軍』が、史上最多受賞記録を達成した今回のエミー賞。1シーズンで完結する予定だった同作は、好評のためシーズン2の製作が決定しており、まだその熱は冷めそうにない。