東電HDの柏崎刈羽原発の再稼働に進展、株価は2011年以来の高値更新
(ブルームバーグ): 柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働に向け、日本政府の動きが活発化してきたようだ。斎藤健経済産業相は来週前半にも新潟県の花角英世知事に地元同意を求める方向で最終調整しているとの一部報道を受け、東京電力ホールディングス株は15日の取引で一時前日比11%高の952円と、東日本大震災と福島第1原発事故のあった2011年3月以来の日中高値を付けた。
新潟日報によると、斎藤経産相は来週前半にも同意を求める。経産相は報道に関するコメントを控えた。
原発再稼働のためには、知事の承認を得ることが必要な最終条件の一つだ。柏崎刈羽の原子炉を再稼働させることができれば、東電HDはコストの高い化石燃料の輸入依存度を減らすことが可能になる。
福島での事故後の厳しい規制などで原発の再稼働問題に苦慮する日本政府にとって、柏崎刈羽の再稼働が認められれば、エネルギー政策を再構築する上で追い風となりそうだ。柏崎刈羽では21年にテロ対策などで重大な不備が見つかり、原子力規制委員会は事実上の運転禁止命令を出したが、改善が確認できたとし昨年12月に解除した。
国際原子力機関(IAEA)は今週、柏崎刈羽原発に技術支援を提供し、専門家チームを派遣するなど東電が社会的信用を得るための支援を行うと述べた。
合計8.2ギガワットの原子炉7基を持つ柏崎刈羽原発は、東京の北約250キロに位置する。規制当局は17年、6号機と7号機は福島原発事故後の安全基準を満たしていると発表していた。
--取材協力:Winnie Hsu、小田翔子.
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Stephen Stapczynski, Aya Wagatsuma