迷惑行為から復活の「くら寿司」ともに好調な日本と北米どちらに投資をする?
2023年は、回転寿司チェーン店にとっては災難な年でした。1月に「スシロー」を運営する「あきんどスシロー」で、醤油ボトルや湯呑みを舐めるなど迷惑行為を行った動画がSNSでアップされ炎上。また、4月には「くら寿司」でも同様の事件があり、回転寿司チェーン店に対するネガティブな印象が日本中に広がりました。 【画像】くら寿司の決算 それまでわたしも娘たちと何度か地元のくら寿司に足を運んでいますが、その後は、なんとなく気が向かず外食の選択肢から除外していました。当然、投資対象としても監視から外していましたが、先日、たまたま目についたくら寿司の株価が、きれいに上昇しており、俄然興味が湧いてきました。
くら寿司の決算は?
とくに2024年10月第1四半期決算が発表された3月12日以降に上昇の角度がきつくなっています。それほど決算のインパクトが強かったのでしょうか? 確認してみましょう。 ①売上高は56110(百万円)、②前年比9.4%、③営業利益1748(百万円)前年度は-671(百万円)の赤字だったので、黒字転換ということになります。四半期ごとの推移でみれば、23年5-7月から連続3四半期で黒字転換が続いていますので、迷惑行為による打撃からはなんとか脱出しつつあるようです。 決算短信の定性情報には、日本ではインバウンド需要が活況で、第一四半期決算では売上高、営業利益ともに過去最高益とあります。また積極的に店舗展開を行っている北米の子会社、Kura Sushi USAInc.(KRUS)が非常に好調ということも書かれております。
北米の子会社は日本と変わらない規模に
Kura Sushi USAInc.(KRUS)は、2019年にナスダック市場に上場しており、米国で4月4日に発表された2023年11月~2024年2月期は、売上高が前年同期比30.5%増の5730万ドルでした。店舗数は、19年8月末時点で23店舗から、年間10店舗程度のハイスピードで増加しており、約60店舗まで拡大しています。 ナスダック市場での評価も鰻登りで、上場時から株価は4倍以上に高騰、時価総額は11.8億ドル。日本円にすると約1780億円。日本のくら寿司(2695)の時価総額は2000億円程度なので、ほとんど変わらない規模に育っています。 海外での和食ブームは以前から耳にしますし、その中でもSUSHIはもっともポピュラーな日本食といえます。Kura Sushiが人気なのも納得ですが、ハイスピードで拡大している理由は、おいしさのほかにも秘密がありました。