目を引くゴリラの巨大看板がSNSで話題 酒販店創業者の思い
一度見ると忘れられない店名と看板の「酒ゴリラ」。島根、鳥取県に7店ある酒販店で、牙の生えたゴリラがビールジョッキを持つ巨大な店頭の絵が特徴的だ。驚いた観光客たちが交流サイト(SNS)でたびたび話題にする。 由来を探ると、創業者で、鳥取県米子店を経営する酒ゴリラ本部(米子市)の岸正昭社長にたどり着いた。最初に店を開いたのは1995年。「誰でも使える一般名詞で3文字で覚えやすい。ゴリラを見たら酒を思い出すような名前にした」と言う。 巨大なゴリラの看板は「とにかく目立ち、待ち合わせ場所や運転の目印になるように」との方針で当初から使う。業者に「子どもが怖がって店に入らない看板を」と注文して牙も付けた。「かわいいと怖いを比べた場合、見慣れた後でも印象に残るのは怖い方」と独自の考えを語る。 看板は全て職人による手書きという。米子店の看板は高さ約6メートル、幅約23メートルで、別の場所で描いた後に分解して運び、壁面に張った。ゴリラの絵は店によって1枚1枚異なる。「店も看板も個性がある」とほほ笑む。 酒類販売の自由化や新型コロナウイルス禍の逆境を乗り越え、米子店は県外や海外の飲食店、ホテルにも販路を持つ。「酒の売り方や売り先は時代で変わるが、店名はこれが正解。変えません」
中国新聞社