森保ジャパン復活の狼煙…「真のワールドクラスのよう」 海外記者が脱帽、新戦術のクオリティー絶賛【コラム】
唯一欠けていたものは「久保のゴール」、勢い得て最終予選へ
このトリオは遠藤航と田中碧によってしっかりと守られており、守備から攻撃への転換も見事に行った。一方でウイングバックとして起用された堂安律と中村敬斗は、両翼から攻撃を仕掛けた。これによりシリアの守備は数え切れない問題を引き起こされた。 布陣が持つ柔軟性によって、久保建英と南野拓実は輝くことができた。このペアは変幻自在に入れ替わったプレーを見せたため、アウェーチームはどちらがどこに出現するのか、当惑し続けることになった。 試合は前半開始早々の8分で実質的に勝者が決まっていた。上田綺世はヘディングの才能を見せて先制点を決めると、その後も力強く最前線に立って日本の攻撃を牽引した。追加点を挙げられなかったことは不運だった。 この夜、唯一欠けていたものは久保のゴールだったのかもしれない。シリアDFタエルクロマのオウンゴールは、レアル・ソシエダの選手のプレストパスがあってこそだったが、あれだけのパフォーマンスを見せたのだから、得点者の欄に彼の名前が載っていたほうが望ましかった。 とはいえ、そのことも久保と森保監督にとっては、大して気になることではないはずだ。心地良い、チームを勢いづかせる勝利であり、日本は6月27日の最終予選の組み合わせ抽選会に、どこが相手であっても関係ないという自信をもって臨めるはずだ。 [プロフィール] マイケル・チャーチ(Michael Church)/アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。
マイケル・チャーチ/Michael Church