「オスプレイの安全性」を元航空自衛隊空将が科学的に解説
麗澤大学特別教授で元航空自衛隊空将の織田邦男氏が2月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2023年11月に屋久島沖で墜落した輸送機オスプレイについて解説した。
屋久島沖のオスプレイ事故、機器故障を特定
米空軍特殊作戦司令部は2月20日の声明で、2023年11月に鹿児島県屋久島沖で墜落した輸送機オスプレイについて、機材の不具合が原因と断定した。また声明でもパイロットの操縦ミスや天候が墜落の原因ではないと明確にしており、不具合が起きた経緯の調査を急ぐ。 飯田)オスプレイの事故は機材の不具合が原因であるという声明が出ましたが、どう分析していらっしゃいますか? 織田)オスプレイは陸上自衛隊も導入していますが、アメリカの特殊作戦部隊のオスプレイとは仕様が違います。今回、墜落した原因については詳しく承知していませんが、特殊作戦に関わる仕様の部分が原因であれば、事故の原因が入ってくることはないかも知れません。しかし、共用部分の不具合であれば共有されるようになっていますので、陸上自衛隊にも情報が入ってくると思います。 飯田)そういうことも考えながら、安全性の部分を担保していく方針になりますか? 織田)そうですね。
オスプレイの10万時間当たりの事故率は他の飛行機と同等、またはそれよりも低い
飯田)今後のアメリカ空軍との連携に、何か影響は出そうですか? 織田)他の飛行機、アメリカと共通しているF15は日本も導入していますが、それと一緒だと思います。オスプレイは「危ない飛行機だ」と思われている節がありますが、報道の仕方が異常だと感じています。約10年前にオスプレイが海兵隊に入った際、日本防衛装備工業会という団体の技術者を20名くらい集め、私が団長となってアメリカへ行き、いろいろな防衛装備を見てきたことがあります。オスプレイを製造しているテキサス州アマリロまで行き、実際に見て、テストパイロットにも話を聞きました。 飯田)テストパイロットの方にも。 織田)だから(報道関係の方たちとは)温度差があります。飯田さんも「非常に危ない」と思っておられるようですが、危ないかどうかを見るには、科学的根拠がなければいけないと思います。具体的に言うと「10万時間当たりの事故率」です。オスプレイの10万時間当たりの事故率は海兵隊がアフガンに投入するまで、他の飛行機と同等、またはそれよりも低く、安全な飛行機だったのです。