米銀大手の決算発表、銀行株の市場上回る騰勢の試金石に
(ブルームバーグ): 米国の大手銀行株は過去半年間、S&P500種株価指数を上回るペースで大幅上昇してきたが、その勢いを維持できるかどうか、決算発表シーズンを控えて大きな疑問となっている。
JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴ、シティグループは12日に、バンク・オブ・アメリカ(BofA)とゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーは来週、それぞれ1-3月(第1四半期)の決算発表を行う。米銀大手の株価は昨年10月に底打ちして以来、米株式市場全般を上回る勢いで上昇しており、早期利下げ観測が後退する中で、投資家は決算内容を注視するだろう。
パイパー・サンドラーのアナリスト、R・スコット・シーファーズ氏は、銀行株が市場全体を上回ることは通常は見られないだけに「ハードルが高まっていることは疑いない」と指摘する。
今回の決算発表に際して投資家が注目するのは、銀行の業績見通しと、純金利収入(NII)や投資銀行業務といった利益の主なけん引役に関する見解だ。
モルガン・スタンレーのアナリスト、ベッツィー・グラゼック氏によれば、利下げ回数が減れば、多くの大手銀の純金利収入の見通しが強まり、ガイダンスの上方修正につながる可能性がある。
BofAのグローバル・リサーチ部門のエブラヒム・プーナワラ氏は、決算発表で今年の株価のアウトパフォームが「正当化」されると予想し、大手銀は「不透明な(高金利長期化の)マクロ環境を乗り切れる状況にある」と指摘した。
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原題:Big Bank Earnings to Test Stocks’ Market-Trouncing Resurgence(抜粋)
--取材協力:Katherine Doherty.
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Bre Bradham