コーヒーを飲むと筋肉が若返る!? “コーヒー豆”に含まれる成分の効果が新たに判明!
研究グループが発表した内容への受け止めは?
編集部: 今回、シンガポール国立大学らの研究グループが発表した内容についての受け止めを教えてください。 甲斐沼先生: コーヒー豆や植物に含まれる天然化合物であるトリゴネリンが、筋肉の健康や機能を改善するのに貢献することが今回の研究で判明しました。 トリゴネリンは「世界で最も好まれている飲み物」とも言われるコーヒー豆に含まれる成分であるため、今回の研究結果を受けてコーヒーの健康効果が見直されるかもしれません。 また、研究発表を通じて、NAD+の前駆体としてトリゴネリンが新たに発見されたことによって、NAD+代謝に関する理解が深まりました。健康長寿や加齢にともなう疾患へ応用できる可能性があり、NAD+産生ビタミンを用いた介入を確立する期待感が高まっています。 一般的に、NAD+濃度が低下すると、認知機能の低下や代謝性疾患、がん(悪性腫瘍)、虚弱体質(サルコペニア)や筋力低下を引き起こす場合があります。 コーヒー豆などに含まれるトリゴネリンを摂取して、NAD+濃度を回復させることで、様々な疾患に関連する症状を改善できる可能性があると考えられます。
まとめ
シンガポール国立大学らの研究グループは、コーヒーなどの植物に含まれる天然化合物トリゴネリンが、筋肉の機能を改善に役立つという論文を発表しました。私たちにとって身近な存在であるコーヒーに含まれる成分ということもあり、今後も注目を集めそうです。
【この記事の監修医師】 甲斐沼 孟 先生(上場企業産業医) 大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
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