【歓迎したい】私たちが新入社員のためにできること 「理想の&嫌な上司・先輩」も調査!
新入社員が職場にやってくる季節です。社会人としての第一歩を踏み出したばかりで、心の中は期待と不安が渦巻いているでしょう。「上司や先輩ら職場の人とうまくやれるだろうか」という漠然とした人間関係への心配もあるはずです。 そこで今回、新社会人に、上司・先輩の「理想像」と「こんな人は嫌だ」をズバリ聞きました。また新入社員が職場に早くなじむために先輩ができることを、人材育成や研修を行うキャップ(松山市)社長の森美佐子さんに教えてもらいました。若い人の考え方に触れて、新入社員の支え方に思いを巡らせる一助になればと思います。(桑原大輔、薬師神亮太) ◆よき上司・先輩とは?「優しさ」「メリハリ」「切り替え」 それでは新社会人の意見を見ていきましょう。3月19日に開かれた松山大の卒業式の会場で話を聞かせてもらいました。 まずは上司・先輩の「理想像」です。 「何を聞いても嫌な顔をせずに答えてくれて、親身になって話を聞いてくれる先輩」(22歳女性、保険) 「そばにいて安心感のある人。分からないことは丁寧に教えてほしい」(22歳男性、公務員) 「『これ分かる?』と積極的に聞いてくれる先輩」(22歳女性、医薬品の卸売り) 「話しかけやすい雰囲気で、雑談もしてくれて、質問しやすい人」(21歳女性、金融) やはり多かったのが「優しい人」です。新入社員は仕事の進め方や社会人のマナーを学び始めたばかりで、分からないことも山のようにあります。丁寧にコミュニケーションをしてくれる先輩は、新入社員も安心感を抱けるようです。 「仕事では厳しく接してくれたほうが成長できると思う。でも仕事を離れた飲み会などでは楽しく、メリハリがあるといい」(22歳男性、インフラ整備会社に就職) 「普段は厳しくても、ミスしたときは優しくしてくれる人」(22歳男性、薬局) 「怒ることがあっても、ずっと機嫌が悪いままではなく切り替えがちゃんとできる人」(23歳女性、美容) 指導は厳しい一方で、ときに優しかったり、仕事の場以外は一緒に楽しんだりしてくれる先輩を望む声もありました。「メリハリ」や「切り替え」がキーワードですね。 ◆「褒めてくれない」「怖い人」は嫌! 次は「こんな上司・先輩は嫌だ」です。 「『まだ仕事ができないから』と除外されるようなことがあれば悲しい」(22歳男性、インフラ整備) 「私が(仕事を)うまくできたとき、褒めてくれない先輩は嫌」(22歳女性、保険) 「例えば一緒に営業をするとき、新人に何も教えず1人でどんどん営業して、新人は付いていくだけになる先輩は嫌」(22歳女性、医薬品の卸売り) かなり具体的な答えが返ってきました。新入社員を職場の仲間と認めて成長を信じ、うまくできたらしっかり褒めないと、心が離れてしまうかもしれませんね。 「自分の価値観を押し付けてくる人。個人の好みなどでとやかく言われるのは嫌」(22歳男性、金融) 「自分のミスを他人のせいにする先輩」(22歳男性、システムエンジニア) 「明らかに不機嫌オーラを出してくる人」(21歳女性、金融) 「すぐに怒って怖い人」(22歳女性、美容) 新入社員でなくても嫌な人物像ですよね。自分に悪気はなくても「後輩から見たらどうか」は意識したほうがよさそうです。 ◆コミュニケーションは「質」より「量」を意識して 新入社員を迎える先輩の心構えなどについて、キャップの森社長に聞きました。 ―新入社員が職場にスムーズになじめるように、上司や先輩はどうすべきでしょうか? 大前提として、職場の全員が「心から歓迎する気持ちを持つ」ことが大切です。その上で、歓迎の気持ちを新入社員に伝えましょう。最初は、コミュニケーションの「質」よりも「量」を心がけてください。量を増やせば質も上がっていきます。 その際、言語コミュニケーションと、非言語コミュニケーションを組み合わせてください。 これらは、相手の存在や価値を認める肯定的な働きかけである「ストローク」と呼ばれるものです。「ありがとう」や「何でも聞いて」など、たくさん言葉をかけましょう。 「若者のことが分からない」という思いもあるかもしれませんが、それなら本人に聞けばよいと思います。「歓迎会をしたいと思うんだけど、どう?嫌じゃない?」などと言葉を尽くして尋ねてみましょう。
愛媛新聞社