北陸新幹線、小浜京都ルート認可後の作業前倒しへ14億5000万円 国交省当初予算案
国土交通省は2025年度当初予算案に、北陸新幹線敦賀―新大阪間の小浜・京都ルート認可後に行う作業を前倒しする「北陸新幹線事業推進調査」を14億5千万円(前年度比1500万円増)計上する。同ルートの新規着工費の計上は見送ったが、福井県小浜市内の新設駅周辺の調査や概略設計などを進めて施工上の課題を洗い出し、工期短縮につなげる。 【図解】北陸新幹線(敦賀・新大阪間)駅・ルート案 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)座長の渡海紀三朗・自民党前政調会長が12月23日のPT会合後、記者団に明らかにした。同調査費の計上は3年連続。24年度からの増額が小幅にとどまったことについて、渡海氏は「増額が少ないという意見もあったが、小浜市内を含めた必要な調査の深度化を図ることが重要」と説明した。 与党側は詳細ルートの年内決定を目指していたが、地下水への影響や建設費の地元負担増に対する京都府の懸念に配慮し、新規着工費の計上を断念。一方で、着工準備の加速に向けて事業推進調査費の増額を要望していた。 これまで事業推進調査費には23年度12億3500万円、24年度14億3500万円を計上。用地や地質の調査、京都府内の地下水への影響調査や京都、新大阪駅の概略設計、建設発生土の受け入れ地の事前協議などを進めてきた。