自動車保険の選び方、何を優先すべき?
自動車保険に限りませんが、保険を選ぶ時、考える時に最も重視するのは保険料だという方もいらっしゃるでしょう。しかし、いざ何かあった時に「あると思っていた補償がなかった」。あるいは「補償はあるが、額が足らない」等ということがないようにしておきたいものです。 とはいえ、数ある保険会社、そしていくつものプランの中から決断を下すのも、なかなか勇気がいるでしょう。そこで、本稿では保険選びのヒントとなるような情報をお伝えします。
迷惑を掛けてしまった相手への補償
交通事故を起こしてしまい、迷惑を掛けてしまった相手への弁償を行うのが対人補償と対物補償です。対人補償と対物補償の保険金額は、どちらも「無制限」が望ましいでしょう。 損害保険協会の事故事例を見ると、対人事故では5億円を超える損害額となったケースがありますし、対物事故でも2億円を超える損害額となるケースもあります。事故の状況によっては、損害額が高額になるということを覚えておきましょう。
人身傷害保険の補償の範囲は?
人身傷害保険は、車に乗っていた時に、事故などにより傷害・後遺障害・死亡等による損害を補償することが目的の保険ですが、相手のある事故の場合でも過失割合(=事故の責任の割合を数字で示したもの)にかかわらず、必要な補償を受けられるという特徴があります。 人身傷害保険の補償の範囲、つまり人身傷害保険でカバーすることができる事故の範囲を選ぶことができます。なお、選択のパターンは保険会社によって異なりますので、以下はあくまでも一例です。 (1) 契約の車に乗っていた時のみの補償 (2) 契約の車に限らず、他の車に乗っていた時にも補償 (3) 歩いていた時の自動車事故も補償 (4) 自転車や電車など、交通用具を使用していた時の事故も補償 以上の契約のパターンは以下のとおりです。 パターン1=(1)のみ パターン2=(1)+(2) パターン3=(1)+(2)+(3) パターン4=(1)+(2)+(3)+(4) パターン1が対象となる事故の範囲が狭いので、その分保険料が安くなります。しかし、例えば、ご家庭にお子さんがいらっしゃり、自転車で通学している場合など、保険料は高くなりますが、パターン4を選んだほうが安心というケースもあるかもしれません。 なお、人身傷害保険のみの利用はいわゆるノーカウント事故に該当するので、等級が下がって翌年の保険料が上がるということはありません。