架空党員登録あった 田畑氏支援企業の関係者 口裏合わせ10月に打診
●党の郵送物70人分7年前から届く 自民党の田畑裕明衆院議員(富山1区)の事務所が管理する100人前後の不適切な党員登録を巡り、無断で登録されたとする支援企業の関係者が19日、富山新聞の取材に応じた。関係者は事業所や社員十数人宅に党の郵送物が約70人分届き、その多くが架空の宛名だったとした。さらに10月上旬、田畑氏から党費支払いについて口裏合わせを打診されたと明らかにした。18日の会見で田畑氏は疑惑への関与を否定したが、多くを「調査中」としており、早期の説明を求める声が上がる。 関係者によると、この企業は田畑氏が衆院議員になる前から20年近くにわたり支援し、社員の名簿を提供していた。7年ほど前から社員に党員向けの案内文書やはがきが届くようになったが、社員は党員になった認識はなく、党費を支払っていなかったという。 郵送物は社員本人や家族のほか、名字は社員と同じだが実在しない宛名もあり、関係者は「架空の宛名が徐々に増えていったように思う」と話した。数年前には党総裁選の投票用紙が架空の宛名で届き、田畑氏の秘書に相談したが、「問題ない」との認識を示された。 田畑氏は10月上旬、この関係者に電話をかけ、党費は、実際にはこの会社が払っていた田畑氏の企業後援会「響裕会」の年会費を充てていたと明かした。さらに田畑氏は関係者に「亡くなった自分のおじが払っていたことにしようと思っている」と説明したという。 関係者は田畑氏のこの説明について「9月下旬に架空党員に関する一部報道があり、田畑氏は口裏合わせを求めてきたのではないか」と話した。 ●「会見は時間稼ぎ」 田畑氏は18日に会見し、不適切な党員登録があったと認めた一方で、詳細については「調査中」と繰り返した。関係者との電話については「当人との関係性から甘えがあった」と釈明し、口裏合わせの意図はなかったと主張した。 これに対し、関係者は「(田畑氏は)うそをついている。会見は時間稼ぎで、本当のことを説明せずにつじつまを合わせようと一生懸命になっているのだろう。保身しか考えていない。議員を辞職すべきだ」と話した。