税滞納者250人リスト紛失 佐賀税務署職員、帰宅中のバスで 6日後に別のバスから見つかる
福岡国税局は6日、佐賀税務署(佐賀市)の男性職員が出力した250人分の滞納者リストが一時所在不明になっていたと発表した。リストの発見者以外に情報の流出などは確認されていないという。リストの記載者には7日から個別に連絡し、謝罪を行う。 福岡国税局によると、職員は徴収担当で、5月29日に税務署内で佐賀市、多久市、小城市の滞納者の氏名、住所、電話番号、業種、滞納額などが記載されたリストをA4判10枚に出力した。通常は税務署内で使用する書類だが、職員は帰宅時に誤って私物のファイルに挟んで持ち出したとみられる。同日夜、帰宅途中のバスの中で私物のファイルを出そうとしたといい、「バスが揺れて中身を落とした」などと話している。 リストは不明になってから6日後の6月4日、職員が乗車したのとは別のバスの中で乗務員が見つけ、佐賀税務署が連絡を受けて回収した。職員はリストは税務署で廃棄したと思い込み、紛失に気付いていなかった。福岡国税局は「第三者の目に触れた可能性は否めない」としている。 福岡市で会見した福岡国税局の野元博国税広報広聴室長は「税務行政の信頼を損なうもので、個人情報の扱いを再度指導して再発防止に徹底して取り組み、信頼確保に努めたい」と陳謝した。職員については「詳しい事実関係を確認したうえで適正に処分したい」とした。(樋渡光憲)
樋渡光憲