「アリシアクリニック」突然の破産 影響は9万人以上に…広がる戸惑い 従業員「きょう解雇を知った」
ひげの脱毛などをしていた男性利用者は… 約1年半前に契約(20代男性) 「顔全体10回ぐらいのものを追加契約。有名だったらという安心感が勝手にあった。自分が当事者になるとは。驚いています」 戸惑いは従業員にも広がっていて… 「アリシアクリニック」従業員の女性 「頑張ってお金ためてきてくれていたお客さんもたくさんいましたし、申し訳ない気持ちが強いですね」 利用客に対する謝罪の言葉を話す一方… 「アリシアクリニック」従業員の女性 「スタッフも突然職場を失って今、何をしたらいいかわからない状態なので、ちょっとあまりにもこれは、ひどいんじゃないかとは思います」 従業員約1500人も、10日に解雇されたということです。 利用者への返金について、企業の倒産や事業再生に詳しい弁護士は「破産会社に十分な財産がない場合、利用者に配当という形での返金が行われない可能性もあり得る」としています。(弁護士法人 梅田パートナーズ法律事務所 西村雄大弁護士による) その債権者数は9万1818人で、過去最大規模にのぼりますが、実際、アリシアクリニック側は、まだ施術を受けていない分の返金については“現時点では極めて難しい状況”だとしています。
業界でも大手とされた医療脱毛クリニックの破産。テレビでもCMを流すなど、広く名を知られた企業がなぜ破産をするのか。 企業の破産の動向に詳しい専門家は、業界の競争激化と、脱毛というビジネスの課題が背景にあると指摘します。 ──脱毛サロンの倒産が相次ぐ背景は? 第一生命経済研究所 永濱利廣氏 「1つめは参入のしやすさ。脱毛の中には資格が必要なく参入できるサービスもある。それで参入が増えて競争が激化している。さらには脱毛というビジネス自体、脱毛してしまうとリピートがしにくいサービス。そういった面で新たな顧客をどんどん獲得していかざるをえない」 また、理由の1つとして… 第一生命経済研究所 永濱利廣氏 「コロナ禍で外出しにくくなって、そもそもの脱毛するという需要が構造的に下がったというところはあるかもしれない」 アリシアクリニック側は来年4月下旬までに、財産状況の報告書をホームページに掲載する予定とし、問い合わせについてはインターネットで受け付けるとしています。 (12月10日放送『news zero』より)