狙撃されたスロバキア首相、容体「非常に深刻」も安定-集中治療続く
(ブルームバーグ): 15日に銃撃され、病院に搬送されたスロバキアのフィツォ首相(59)には集中治療が続けられている。容体は「非常に深刻」だが、安定しているという。政治的な動機による暗殺未遂だと同国政府は表現した。
欧州の政治指導者が銃撃されたのはここ20年余りで初めて。欧州の中で二極化が最も激しい一国とされるスロバキアには衝撃が広がり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)やロシアのウクライナ侵攻で同国の政治が一触即発の状態にあったことを浮き彫りにした。
首相の最側近の1人であるカリニャーク国防相は16日、首相の容体について記者団に対し「今のところは安定している」と説明。「大変な負傷であり、残念ながら非常に深刻な容体であることに変わりない。だが、われわれは皆、この状況を何とかできると強く信じたい」と続けた。
フィツォ首相は首都ブラチスラバ北東のハンドロバで閣議に出席後、屋外で市民とあいさつを交わしていた際に至近距離から数発の銃弾を受けた。スロバキアの安全保障会議と内閣のメンバーは現地時間午前11時から会議を行う予定だ。
首相は「複数発の」銃撃で生じた傷を治療するため同国中部バンスカー・ビストリツァの病院で5時間に及ぶ手術を受けた。現在は医師団が付き添っていると、病院当局者が記者団に語った。
原題:Slovak Premier Fico in Serious Condition Day After Shooting (2)(抜粋)
--取材協力:Peter Laca、Andrea Dudik.
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Daniel Hornak, Krystof Chamonikolas