自然環境に理解深める 過去最多330人が「里海博」で 館山(千葉県)
館山市のイオンタウン館山内で11日、地域の自然環境の未来を考える「第5回里海博」が開催された。子どもから大人まで過去最多の330人が来場し、身近な海の生物や自然環境について理解を深めた。 NPO法人「たてやま・海辺の鑑定団」(竹内聖一理事長)が主催するイベント。地域の森、里、海、川を通じた自然環境を未来に引き継ぐため、課題や取り組みを共有し、参加者も発表者も一緒に考える機会にしようと開催した。 「森・里・川・海のつながり未来に引き継ぐ地域の自然」を全体のテーマに、体験・展示、講演・発表と会場を分けて行われた。体験・展示のコーナーでは、ヤドカリ釣りやウミホタルの観察会、貝殻を使ったクラフト体験などが展開され、子ども連れの親子を中心に身近な生き物などに触れてにぎわっていた。一方、発表会場は、講演の他、安房高生物部、館山総合高、富山中の生徒らによる、里山や里海の保全活動報告やアマモ場再生活動などの取り組み発表が行われ、多くの観覧者が耳を傾けた。 竹内理事長をコーディネーターに展開した座談会では、講演や発表に参加した6人が登壇。自然環境を未来に伝えるために、「地域の人に自分たちの保全活動を知ってもらう場をつくる」「つながりを大事にし、人と自然がつながる活動をしていきたい」といった意見が発表され、来場者を含めて活発な意見が交わされた。 伊藤小春さん(富山中2年)は「地域の自然環境を守るために、きょう学んだことをまずこの場にいなかった仲間たちに共有したい。また、富山学園が小中一貫であることを生かし、小学生のうちから環境に興味を持ち、楽しく学べるような企画を考えたい」と感想。 竹内理事長は「多くの人に『知ってもらう』ということが今回のキーワードとなった。地域の自然環境について、子どもたちの体験や発表の場をつくり、サポートをすることで『知ってもらう』機会をつくっていきたい。また、続けていくことで理解の輪が広がれば」と話していた。