『愛だと言って』で話題!いま最も波に乗っている俳優キム・ヨングァン、役作りの秘訣は?
2023年の出色のドラマ『愛だと言って』のドンジン役で話題をさらったキム・ヨングァン。さまざまな作品に徹底した役作りで臨んで頭角を表し、いま最も波に乗っている俳優である。ひたすらに打ち込む役作りについて話を聞いた。 【写真】美しきキム・ヨングァンにほれぼれ
主演も助演もジャンルをも縦横無尽に渡り歩き、常に個性を放つ俳優キム・ヨングァン。モデル出身だけにひときわ高い189センチの長身と肩幅の広いスタイルの良さ。少し曲線を描く背中のフォルムがセクシーで、ニュアンスを感じさせる人だ。 今年ディズニープラスで配信された秀作ドラマ『愛だと言って』では、会社の代表として一見全てを手にしているようで、誰よりも孤独な男ドンジン役でこれまでにない魅力を見せた。その後も出演作が途切れることのない、俳優として乗っている彼に、まずは『愛だと言って』のことから話を聞いた。 ――背中からもの悲しさが漂う人物像を見事に演じていらっしゃって、とても惹き付けられました。どんなふうに役作りをしたのでしょうか? ドンジンは過去に愛に傷つけられて、そのほかにもいろいろ積み重なって人生に疲れた人だと感じました。それで僕が考えた表現としては、人にも物事にも反応しないということ。そんなイメージで寂しい人に近づけていきました。 ――個人的に今年見たドラマの中で一番素晴らしかったです。 お~、ありがとうございます!(日本語で)正直、日本でこんなに見られていると思わなかったです。 ――いつもどのように役にアプローチしていきますか? 毎回これという決まった方法はないです。ただ、その時任された人物について自分ですごく考えて、その人物の情報をいろいろと集めます。それが自分の中で理解できて、その人の行動や色んなことが自然に自分に入っていくまでになるようにしていきます。それには毎回時間がかかる方ですが、『愛だと言って』のドンジンは意外とすぐ人物が理解できて、そのムードがすぐ浮かび上がって、早く入れた方でした。ドンジンはいまの時代に実際にいる人物だと台本を見て感じられたので、アプローチしやすかったです。 ――演じ終わって自分の満足度として何点ですか? 100点満点中、80点は超えていると思います。 ――残りの20点は? 自分の演技に点数をつけるのは、けっこう恥ずかしいじゃないですか。 ――ご自身の人生を変えた、もしくは、ターニングポイントになった作品や出来事はありますか? 『D-DAY』という作品です。僕は 惨事に見舞われた方々を治療する医師役でした。物語の内容や医師という役を通して、命についてや、様々なことを深く考えるようになったんです。この作品がきっかけで作品に対してより真剣に向き合うようになりましたし、演技に対する愛情や向上心がすごく高くなって、かっこよくやり遂げたいという気持ちが強くなりました。自分が結構変わった時期だと思います。 ――日本のファンからの反応は感じていますか? この前ファンミで東京に行った時にすごく幸せでした。コロナが明けて4年ぶりのファンミでしたが、4年前に来た方々が本当にまた来てくださって。長いあいだ、僕のことをそのまま愛して待ってくれたことにとても感動を受けて、本当に作品に次々に出て仕事を頑張らないとって思いました。 リラックスムードの中で行われた自然体のインタビュー。並外れたスタイルの良さに鋭い顔立ちなので黙っていると周囲を緊張させてしまいがちだが、恥ずかしがったり、我が意を得たりというこちらの言葉には親指を立ててナイスポーズをしてくれたり、無防備な笑顔や受け答えに茶目っ気がにじむので、 ‘素敵’にとどまらず‘可愛い~’という表現も使いたくなる愛着の湧く人だった。 キム・ヨングァン 1987年生まれ。俳優。2006年モデルとしてデビューし、パリ・ミラノコレクションをはじめ、世界で活躍。2014年「ピノキオ」で「SBS演技大賞 ニュースター賞」受賞。2021年映画「ミッション:ポッシブル」、2022年ドラマ「サムバディ」、2022年「愛だと言って」など次々と話題作の主演を務める。2024年は「トリガー」(ネットフリックス)に、キム・ナムギルとともに出演が予定されている BY CHIKAYO TASHIRO, HAIR BY LEE ENOC, MAKE-UP BY LEE BOM, STYLED BY IM HYE RIM, COORDINATED AND TRANSLATED BY CHOI HYO JEONG AT KACHI MEDIA