ステーキ店「三田屋」の元従業員男性 「長年パワハラ受け、金銭搾取された」と創業家一族の役員を提訴へ
神戸市や兵庫県西宮市などでステーキ店を展開する「三田屋」(神戸市北区)に勤めていた男性(44)が、創業家一族の男性役員から長年パワハラを受け、金銭を搾取されたとして、三田屋と役員に慰謝料など約1600万円の損害賠償を求めて神戸地裁尼崎支部に提訴することが11日、分かった。 【写真】駆け込んだ労基署で「生きていて労災図々しい」 元看護師が不支給取り消し求め裁判 訴状などによると、男性は2006年に入社し、11年から西宮市内のハム工場で勤務。当時工場長だった男性役員から、ミスをすると「ボケ」などと罵声を浴びせられ、「滑舌が悪い」との理由から業務中に小型無線機「インカム」を通じて歌を歌うよう強要されたなどとしている。 繁忙期は休日がほとんどなく、長時間労働を強いられたが、割増賃金は支払われなかったという。また、出勤時間の午前8時までに工場の植物の水やりをするよう命じられて毎日動画を送信し、退社後や休日には大量の書類を作成して深夜に報告することが常態化していたとする。 一方、仕事のミスなどに罰金を科され、毎月の給料日の翌日に4万円、ボーナス支給日の翌日に8万円を徴収されていたと主張。男性役員の指示でパンやおにぎり、たばこなどを買わされたが、代金は支払われていないという。 原告側によると、時間外労働や罰金について主張に隔たりがあり、罰金の返還や未払い賃金の引き渡し、慰謝料などを求めて提訴に踏み切ることにしたという。 三田屋の代理人弁護士によると、今月10日が1回目の調停の期日だったが、「相手方が訴訟による解決を希望し、調停続行に反対し不調に終わった」とコメントした。 三田屋は「廣岡揮八郎の三田屋」のブランドでステーキ店を運営し、大手百貨店にもハムの直営店を出している。