ステラ・マッカートニーがラグジュアリー、注目の技術、グリーンウォッシュを語る
ステラ・マッカートニーは今、何を思いどのように行動しているのか。「WWDJAPAN」は数年にわたり、サステナブル・ファッションをけん引するステラに、日々変化する状況を踏まえて質問を投げかけてきた。今回は、改めて考えてみたいラグジュアリーという言葉や難易度もコストも高い廃棄物利用、グリーン・ウォッシュへの対応について聞いた。 【画像】ステラ・マッカートニーがラグジュアリー、注目の技術、グリーンウォッシュを語る
WWD:年々地球環境が危機的状況にある、というニュースを耳にする機会が増えている。ファッションを楽しむことと、地球環境の保護を両立できると思うか?
ステラ・マッカートニー(以下、ステラ):私はブランド設立時からレザー、羽毛、毛皮、エキゾチックレザーを使用していません。これは母なる地球を守るための大きな一歩です。アマゾンの森林伐採地域の80%が牛肉や皮革のための牛の飼育に直結していることをご存知ですか?畜産業は世界の温室効果ガス排出量の14.5%を占めており、これは航空産業全体よりも多いのです。
しかし、多くの人はハンドバッグや新しい洋服を買うとき、このようなことを考えません。私は望むものを妥協する必要はないと思っています。私たちは、環境負荷の少ない代替素材に投資し、先駆的なテクノロジーを駆使して革新しています。私たちが取り組んでいるのは、動物や地球に害を与えず、美しくラグジュアリーなファッションを手にすることができる、より良い方法があることを人々に伝えること。
そういったイノベーションとそれを支えるイノベーターたちを称えたのが、パリでの2024年サマーランウェイショー、ドバイで開催されたCOP28、そして今回の伊勢丹新宿本店で行った「ステラズサステナブルマーケット」です。私は、日本のコミュニティの情熱が大好きで、植物、ブドウ、リンゴから作られたレザーの代替素材や、私たちの他の最先端技術を紹介したいと思い、日本で行いました。イノベーションは、より地球に優しい未来に向かうために必要不可欠なものだから、私たちの取り組みを共有することで、ファッション業界だけでなく、それ以外の分野の人たちにもインスピレーションを与えられることを願っています。