”サブカルの聖地”死角を利用し男児をトイレに連れ込み…ゲームメダルを餌に66歳警備員の卑劣な手口
「メダルをあげる」と言って誘い
“サブカルの聖地”と呼ばれる「中野ブロードウェイ」で、子供が性被害に遭う事件が起きたのは’24年の4月のことだった──。 【卑劣な犯罪者】ヤバい!小学生女児の下半身を触った47歳男の太々しい表情 「中野ブロードウェイ」は、JR中野駅(東京・中野区)北口を出て、アーケード街を進んだ先にある。日本初のショッピングセンターと集合住宅の複合体で、1966年に開業した。漫画古書専門店やトレーディングカード、アニメ関連商品などを販売する専門店が密集しており、1990年代のバブル崩壊後あたりからオタク・サブカル文化の“聖地”と呼ばれるようになった。 その一角にあるトイレ内で、男児の下半身を触るなどの性的暴行を加えたとして不同意性交の罪に問われている寺尾満被告(66・逮捕時65歳)の初公判が11月5日、東京地裁で開かれたのだ。 寺尾被告は細身の体にややサイズの合っていない大きめのスーツ姿で出廷。緊張した面持ちだったが、薄くなった頭髪にメガネをかけ、かなり老け込んだその姿は一見すると好々爺といった印象だ。しかし、その外見からは想像できない卑劣な犯行に及んでいた。 起訴状などによると、寺尾被告は’24年の4月、「中野ブロードウェイ」のゲームセンターで、 《陰部を触らせてくれたらゲームセンターのメダルをあげる》 と言葉をかけ、男児(事件当時12歳)に接近した。2人きりになるとトイレに連れ込み、「1万円をあげるから」と言って口腔性交など25分にわたって犯行に及んだ後、現金1万円などを渡したという。 寺尾被告はゆっくりとした歩調で証言台に向かうと検察が読み上げた起訴状について「間違いないです」と認めている。 ◆中野ブロードウェイの死角 「男子児童はもらった1万円でおよそ9000円相当のポケモンカードを購入しています。しかしその後、友達に相談。その日のうちに母親に被害を打ち明け事件が発覚しました」(捜査関係者) 寺尾被告は逮捕時、容疑を否認していたが、母親が提出した男子児童の下着から同被告のDNAが検出されたという。また店内の防犯カメラには、被害児童以外にも複数の男児に声をかける姿が録画されていた。 「中野ブロードウェイは、小さなスペースに多くの店舗がひしめき合っており、メインストリート以外の廊下は自分の居場所が分からなくなるほど、複雑に折れ曲がっています。寺尾被告は、子供たちが比較的集まりやすく、建物の構造上、死角になりやすい場所が多いということで、犯行場所に選んだ可能性があります。 同施設内のトイレでは11月6日にも、30代の男性がトイレから出てきたところを知らない男に突然殴られ、身に付けていた指輪を奪われるという事件が起きています。防犯カメラを増やす、特に児童が多く出入りするエリアには警備員を置くなど、早急な対策が必要と思われます」(全国紙社会部記者) 今回は、児童がその日のうちに警察に被害を打ち明け、下着からDNAが検出されたことが早期逮捕の決め手となった。 「性被害に遭った児童は、当初は事の重大さが分かっていなかった可能性があります。犯人は子供の心理を巧みについて誘い、犯罪行為に及んでいる。児童はその時には理解できなくても、成長するとともに理解し後々苦しむことがあります。そのため専門医による精神的なケアが重要です」(カウンセラー) 冒頭陳述によると寺尾被告は警備員をしながら妻、娘と同居していた。一方で、1978年、20代の時に強制わいせつの前科があったという。46年の時を経て、再び犯罪に手を染めてしまったことになる。児童への性犯罪が減らないのは、このような犯罪者が身を潜めているからに他ならない──。
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