北海道産ウイスキーが大人気!すると…その一方で“争奪戦”が起きている意外なモノとは?
STVニュース北海道
北海道産ウイスキーの人気が高まり熟成に欠かせない、「ウイスキー樽」が高騰しています。 急増する需要に応えようと北海道大学の学生が、間伐材から樽を製造するベンチャー企業を立ち上げました。 グラスの中で光る、黄金色の液体。 今まさに、熟成中のウイスキーの原酒です。 (宮崎記者)「麦の甘みががつんときて、でも、やや角のとれた柔らかい甘さですね」 (馬追蒸留所 村田哲太郎社長)「少しずつ角が取れてきますので、寝かせるほどまろやかになってくると思います」 空知の長沼町の蒸留所です。 2022年から道産麦芽を使った原酒の生産をはじめ、数年以内には熟成が進んだウイスキーの販売を始める予定です。 涼しい気候と上質な水がそろった北海道は、ウイスキー生産に最適です。 余市のニッカウヰスキーが有名ですが、ここ数年、新たな蒸留所が続々と誕生しています。 新千歳空港の土産物店では、道産のウイスキーをおよそ10種類取り揃えています。 (京都から出張で来た人)「関西では売っていないので、それで買いました。いい感じの甘さがあって余韻があります」 (北海道空港総合土産店課 小坂澄子係長)「国内外問わず人気がございます。この厚岸ウイスキーは特に、入ってきてもすぐなくなります」 人気のあまり、品薄となる銘柄もあるといいます。 一方で、すぐ増産できないわけもー 蒸留所の中には、樽がずらり。 ウイスキーの香りを決める、樽へのこだわりは欠かせません。 しかし、需要の増加に追い付かず、ウイスキーの樽が不足しているといいます。 (馬追蒸留所 村田哲太郎社長)「(数年前の)3倍から4倍の価格になっている。樽の争奪戦になっています」 そこで― 「おねがいしま~す」 原酒が注がれているのは、真新しい熟成樽です。 北海道大学の学生が立ち上げた、ベンチャー企業が開発しました。 ミズナラやオニグルミなど、道産の間伐材を使っているのが特徴で、森林資源を守りながら北海道のウイスキーづくりを応援したい考えです。 (北海道洋酒樽プロジェクト 小島颯太代表)「樽の量産を整えていくのが大事かなと思います。蒸留所ワイナリーの皆さんに自信を持って出すものにしていけるかが、次の目標です」 人気が高まる道産ウイスキー。 量産体制を整えていくうえで、若い力が大きな助けになりそうです。