他球団が衝撃…ヤクルトの右腕に「村上頌樹と重なる」警戒が
逆境からはい上がる強さ
下を向いている暇はない。イースタン・リーグで4試合登板して防御率0.47。生命線の制球力を磨き、19イニングを投げて自責点はわずか1だった。松本は逆境からはい上がる強さがある。 東海大菅生高では、3年夏に清宮幸太郎(日本ハム)を擁する早実を破り西東京大会優勝。東京都大会史上初の満員札止め(3万人)となった決勝で高校No.1スラッガー・清宮の活躍にメディアの注目が集まる中、2失点完投勝利と主役の座を奪った。甲子園では過去最高のベスト4に進出。亜大では4年春に3勝3敗、防御率1.61の好成績を残したが、秋は1勝3敗、防御率4.00と結果を残せずドラフトは指名漏れした。 「大学4年秋のリーグ戦は僕のせいで負ける試合が何試合かあって、ドラフトの日も僕が炎上して負けて、正直ドラフト会議まで頭を回す余裕がなかった。選ばれなかったときもそりゃそうだよな、と」 社会人の名門・トヨタ自動車で野球に向き合う姿勢から見つめ直し、2022年の日本選手権・パナソニック戦で公式戦初完封勝利。昨夏の都市対抗ではENEOS戦、JR東日本戦で救援登板して計6回を無失点と日本一に貢献した。ドラフト指名漏れの悔しさから2年。心身ともに大きく成長し、ヤクルトに2位で入団した。 セ・リーグは混戦が続いている。昨年は阪神の村上がシンデレラボーイになったように、新戦力の活躍がチームの命運を大きく左右する。プロ初登板で鮮烈デビューを飾った松本にかかる期待は大きい。 写真=BBM
週刊ベースボール