米民主党が託す最後の希望、激戦下院は勝敗不明-上院は共和党が奪還
(ブルームバーグ): トランプ前米大統領がホワイトハウス復帰を確実にした今、民主党にとって最後の頼みの綱は大接戦となっている下院レースに勝利することだ。
現在の下院では共和党が僅差で過半数議席を維持しており、民主党が今回の選挙で4議席を純増できれば、多数派党に復帰できる。しかしその鍵を握る複数の州では依然、接戦が続いており勝敗は浮かび上がっていない。どちらの党が下院を制したのかが明らかになるまでに、数日かかる可能性もある。
民主党が楽観的でいるのは理由がある。同党はすでにニューヨーク州で少なくとも2議席を共和党から奪還。アラバマ州とルイジアナ州では区割り変更に助けられ、それぞれ1議席を獲得した。しかしペンシルベニア州とミシガン州でそれぞれ1議席を奪われたほか、善戦が期待されていた東海岸や中西部で議席を増やせなかった。下院レースはまさに勝敗の見えない激戦となっている。
2017年に成立した現行税法は25年末に失効する。民主党が下院を制した場合、共和党はこの法律に基づく数兆ドルもの予算で交渉に応じなくてはならなくなる。外交面でも下院民主党は、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ氏の政策アジェンダに目を光らせることになる。ウクライナをはじめ米国からの支援継続を望む国から、民主党に期待の目が向けられるだろう。
トランプ氏は大統領在任中、民主党が多数派を占めていた下院に2度も弾劾訴追された。しかし上院で有罪になったことはない。
下院選では接戦となった22選挙区のうち、6日早朝の時点で勝敗が明確になったのはわずか3区。いかに激戦が展開しているかを物語っている。集計作業はなおも続いており、開票が進むにつれてシーソーゲームの様相を呈している。
最終的にはカリフォルニア州の5選挙区が勝敗を握る可能性がある。同州での不在者投票は、投票日の消印があれば選挙後1週間まで有効とされる。
原題:US House Is Democrats’ Last Hope After Losing Senate (1)(抜粋)
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Daniel Flatley, Billy House, Steven T. Dennis