東京学館新潟“雪だるま方式アゲイン”で連覇目指す「もう1度、旗をつかみに」旅川監督/新潟
第106回全国高校野球選手権新潟大会(7月5日開幕)の組み合わせ抽選会が21日、新潟市の新潟テルサで行われた。夏連覇を狙う第5シードの東京学館新潟は、V候補の帝京長岡と同ブロックに入り、初戦は7日新津工に決まった。昨夏は日本文理など強豪を倒す快進撃で、初Vを達成。甲子園の舞台に立った。今夏も「一戦必勝」を掲げ、聖地を目指す。選手宣誓は長岡工の竹部匠眞主将(3年)に決まった。 【一覧】新潟大会の組み合わせ ◇ ◇ ◇ 東京学館新潟が“雪だるま方式アゲイン”で第5シードから連覇を目指す。新津工との初戦(2回戦)から勝ち進めば、準々決勝でV候補の帝京長岡と激突。旅川佑介監督(42)は抽選結果を見つめながら、「なんとか力を蓄えて、昨年みたいに雪だるま方式で大きくなって、ぶつかっていければいいなと思ってます」とニヤリと笑った。 同じ第5シードから初の頂点に駆け上がった昨夏を再現する。昨年は初戦2回戦で柏崎常盤・柏崎総合・久比岐の連合チームに7回コールド発進。3、4回戦を順調に勝ち上がり、準々決勝で日本文理にサヨナラ勝ち(9-8)して勢いを増した。北越を0封して準決勝を制し(5-0)、迎えた中越との決勝は9回裏に2点差をひっくり返す劇的勝利(6-5)。1戦1戦着実に力をつけ、初制覇を成し遂げた。甲子園では初戦で市和歌山に4-5で敗れたが、1点差の9回裏に逆転サヨナラを予感させる熱戦を演じてみせた。 2年生ながら主力として聖地でプレーした森田蒼生主将(3年)は「全員が立てるような場所ではない」と実感を込めて回顧。その経験を踏まえ、チームに「本気で意思を持った人間が立たなければいけない。もう1度、本気で甲子園に行く」とゲキを飛ばしてきた。旅川監督も「もう1度、旗をつかみにいかなくていいのか」と連覇を意識させてきた。 新チーム発足後は、秋季大会で帝京長岡、春季大会で日本文理に敗戦。この夏の「2強」に挙げられるライバルに屈した。それでも森田は「連覇のチャンスはうちだけ。最後に意地でも結果で示す」と雪辱へ気合十分。負けたら終わりの戦いで1試合ずつ成長し、大きな雪だるまとなって甲子園切符をとる。【大島享也】 ◆帝京長岡 最速144キロ右腕の茨木佑太投手(3年)を軸とした投手力で、優勝候補筆頭に挙げられる。秋春通じて北信越大会を初めて制した今春は、県大会からの9試合でわずか4失点と盤石。三塁手も務める小林真大投手(3年)も県大会と北信越大会の決勝で先発を任される力がある。打撃に課題を残すが、春は芝草宇宙監督(54)の掲げる「動かす野球」で足を絡めながら、少ない好機でも確実に点を取りにいくスタイルで勝ち上がってきた。守備も安定感を増しており、第1シードから悲願の初の甲子園切符を奪取する。 ◆日本文理 県内屈指の総合力で第2シードから頂点を目指す。丸山慶人投手と倉石健亮投手(ともに3年)のダブルエースは、そろって140キロ前後の威力ある直球が持ち味。打線はパンチ力のある主将の野口壱矢内野手(3年)を中心に、8強で敗れた昨夏を知るメンバーが多く残り、経験豊富だ。攻守ともに堅実な野球で、2年ぶりの甲子園を狙う。 ○…帝京長岡、日本文理が「2強」に挙げられる中、虎視眈々(たんたん)と頂点を狙うのは東京学館新潟だけではない。第3シードの関根学園は主将の山川徠輝内野手(3年)がリードオフマンで切り込んで長打力のある中軸で打点を稼ぐ看板の打撃に加え、佐伯大和、深町正眞(ともに3年)の投手陣も力をつけている。2季連続4強の第4シードの開志学園は投打ともにポテンシャルが高く、初の甲子園出場なるか。2年生からエースを任される真保龍聖投手(3年)擁する加茂暁星やノーシードの中越、新潟明訓も個々の能力が高く侮れない存在だ。