「60年家計簿をつけ続けてます」75周年の「アナログ家計簿」担当者が感じた意外な効果
脳トレにもなる!
家計簿は家計の管理とともに、自由日記欄があり、そこには家で起きたこと、その時思ったことなど、ちょっと書き留めておくこともできます。そこにはその家だけの歴史が書き留められています。 家計簿は同じ版型で、同じフォームだからこそ、(そして家計が書かれているのでなかなか捨てることはできないので)何年分かたまっていくうちの家庭の歴史が積み重なっていきます。読み返してみると、どんなことがあったのか? 家庭状況はどうだったのか振り返ることができるのです。振り返ることができるのは紙ならでは! そういえば大人気だった朝の連続テレビ小説『虎に翼』でも、伊藤沙莉さんが演じた主人公寅子の母、石田ゆり子さんが演じたはるが几帳面につけていた家計簿が、夫の無実を信じることができる根拠となったエピソードもありました。 そして15年経ち、75周年になった今は読者の方からは「脳トレ」のために続けています。との声が届いています。 2025年版の家計簿では「脳活」の特集があります。その中でも「毎日続けられること。難しいことよりもとっつきやすいこと」に取り組んだ方が脳トレによい、と家計簿をつけることをすすめています。
お金の意識改革に家計簿が効く
さて、家計簿の担当を始めた時に「私もつけてみよう!」と思い立ちました。家計簿の費目は穀類、肉・魚・卵・乳製品、住居・備品、光熱・水道など細かく分かれています。とはいえ、いまはスーパーなどでまとめて買うことも多いので実際に費目をそこまで細かくは書いていません。以前、野菜は八百屋さん、肉は肉屋さん、魚は魚屋さんと分かれていたので、つけやすかったかもしれません。そして費目を分けていることで、栄養の偏りがないかなどの目安という意味合いもあったとか。一つ一つに意味があるんだと初めて聞いたとき驚いたものです。 書いていくことによって「使いすぎている」「今週は節約できている」など、自然に気になり、買い物や意識が変わっていったのです。手でわざわざ書くことで、頭に入りやすい、より自分事ととらえることができているからかとも感じます。 毎日書いているとしだいにルーティーン化し、より収支に意識を持ち行動も変わっていったのです。だからと言って大きく改善されているわけでは正直ないのですが、ただ節約をするのではなく、意味のある使い方を考えるようになっていたと思います。つけ続けるためには決して1円単位まできっちり計算してなくても、という自分なりのルールも作っています。 ひと言で「家計簿」。といってもただ生活費の管理、貯蓄のためだけではなく、家の歴史の記録、脳トレと「書く」からこそ生まれるものがあるのです。
お料理家計簿編集部