熱帯の花鳥を主題としたきらびやかな色彩の作品が並ぶ会場（１２日午後２時８分、京都市中京区・京都文化博物館）＝撮影・薄田和彦

　鮮やかな色彩で華麗な花鳥画を描いた近代京都の日本画家、石崎光（こう）瑤（よう）（1884～1947年）の回顧展「生誕140年記念　石崎光瑤」（京都新聞など主催）が9月14日、京都市中京区の京都文化博物館で始まった。12日に内覧会が開かれ、熱帯の林で突然のスコールに驚き、飛び交うインコたちを華やかに描いた「燦（さん）雨（う）」（1919年）などに関係者が見入った。 　光瑤は、富山県生まれ。19歳で京都に出て、近代日本画の巨匠、竹内栖鳳に入門。16年からインドを旅し、その後、熱帯風景の花鳥を題材とした独自の作品を発表して注目を集めた。今回は作品約80点を前期・後期で紹介する予定で、これだけ大規模な光瑤の回顧展は全国初という。 　会場では、「燦雨」と同じく熱帯の密林を濃密に描いた「熱（ねっ）国（こく）妍（けん）春（しゅん）」（18年）や、ウツギやユリの花を全面に描き、宮内省の買い上げとなった出世作「筧（かけい）」（14年）などを展示。ヒマラヤの風景を描いた高野山・金剛峯寺の襖（ふすま）絵20面もあり、このうち8面は寺外では初公開という。 　11月10日まで。10月14日までの前期と、16日からの後期で展示替えあり。月曜休館、祝日の場合は開館、翌日休館。有料。