親の年金見込み月額がわずか「7万円」です。これは「計算ミス」ですか?
親の年金額を確認したら「支給額が月に7万円のみ」と分かった場合、人によっては驚き、計算ミスだと思うかもしれません。「年金が1月当たり7万円だけ」という現実を見た方は、そのように思うのも無理はないでしょう。年金受給額について考えてみました。
年金月額7万円はあり得ないことではない
「親の年金の見込み額が月に7万円」ということを知って、信じられないというのも無理はありません。親がこれまで必死に働き、年金の保険料を納めてきたことを知っている方であれば、なおのことそう思うでしょう。 しかし、実際には年金が7万円どころかそれ以下の方は多いです。厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度末現在における厚生年金の受給月額の平均は、およそ14万5000円(国民年金部分含む)でした。それに対して、国民年金のみの場合は月におよそ5万6000円となっています。両者の差はおよそ9万円になります。 ここから考えると、長らく国民年金のみに加入していた方や、厚生年金の加入期間が短かったような方であれば、年金額が7万円というのも、おかしくはないのです。
7万円の年金額で不足するのであれば繰下げ受給を検討や就労も視野に
もし、親の年金額が少なく、今後の生活が難しいという状況であれば、繰下げ受給や就労といった方法で、年金含む収入を殖やす方向で考えていくことが必要です。 日本年金機構「年金の繰下げ受給」によると、受給開始時期を1月繰り下げるごとに年金額を0.7%増加させることができるようです。繰下げ受給は75歳まで可能であるため、最大で84%も、将来受け取る年金額を増加させられることが分かりました。 仮に、1月当たり7万円の年金を受け取れる方が75歳まで受給開始時期を繰り下げたとすると、受け取る年金月額は12万8800円になるわけです。これは国民年金の平均的な支給額を大きく上回り、かつ、厚生年金の支給月額の平均に大きく近づいています。 そして、その間の生活費は就労によって賄うことで、無理なく繰下げ受給を行うことができます。就労は将来受け取る厚生年金を殖やすことにもつながります。なぜなら厚生年金は65歳以降70歳までは、勤務先で社会保険への加入要件を満たすことで、加入を継続することになるからです。 このように、老後の生活に年金が不足している場合でも、繰下げ受給や就労も視野に入れることで、老後の生活を安定させることができます。