19歳北海道の元体操選手・加藤妃桜さんの挑戦 跳馬で落下し全身麻痺 自由を奪われても歩む!
呼吸器をつけたことで声が変わり、リンパが詰まり浮腫んだ自分の顔。 妃桜さんは16歳という若さで「障害者」になった現実から、次第に心を閉ざしていきました。 その妃桜さんの心を開くきっかけとなったのは、兄の滝大さんでした。
(兄・滝大さん)「けがする前はパソコン使ったことなかったよね」 (加藤妃桜さん)「授業でちょっとくらいだけ。全然わからなかった」 滝大さんのサポートによって、妃桜さんは目でパソコンを動かせるようになりました。
綴られていたのは「パフェ食べる」「散歩する」。 小さな願いでも、妃桜さんにとっては大きな夢でした。 (兄・滝大さん)「体を動かすこと以外は機能があったので、体験することはできないけど、食べることもできるし音楽聞くことも動画を見ることもできるし。何もできないっていう考えにはならないかなって」
「できないのは体を動かすことだけ」 兄の励ましの言葉で、妃桜さんは前を向き始めました。
妃桜さんには退院したら挑戦したいことがありました。 それは、一人暮らしをすること。 自分で生きる力をつけたいと考えていました。
バリアフリーの部屋を選び、慎重に車いすを動かします。 (加藤妃桜さん)「思い通り。青い壁紙にしたいって言ったらやってくれた。めっちゃいい感じ」 少しでも笑顔で暮らしてほしいと、お母さんが妃桜さんの好みに合わせて部屋を用意しました。
初めての一人暮らし。 期待で胸が膨らみます。 (加藤妃桜さん)「お菓子とか作りたい」 24時間体制でヘルパーの力を借りなければいけませんが、家族のもとを離れて暮らすことは妃桜さんにとって大きな一歩です。
家族もその姿を応援していました。 (兄・滝大さん)「いつも病院にいて遠かったけど、今は家族が近くにいるから励みになればいいなと思って」 (母・由加さん)「高校3年間病院で過ごしてきたので人との触れ合いがなくて。少しずつ自分の意見を言える大人に近づいてほしいなと」