長崎市のピーススタジアムでサンフレッチェ広島と「ピースマッチを」 V・ファーレン長崎取締役の高木琢也氏 長崎スタジアムシティ開業
広島市に続き、もう一つの被爆地長崎市のまちなかに「ピース」を冠したサッカースタジアムが誕生した。2万人収容で、J2V・ファーレン長崎の新本拠地となる。J1サンフレッチェ広島や日本代表で活躍した高木琢也氏(56)は、V・ファーレン長崎で取締役を務める。かつて「アジアの大砲」と呼ばれたストライカーは、指導者を経て経営者に転身。新本拠地で古巣との「ピースマッチ」再現に意欲を燃やす。 【写真】長崎スタジアムシティのピーススタジアムやハピネスアリーナ ―長崎の新本拠地「ピーススタジアム」への期待は。 ピッチとスタンドが非常に近い。これだけ近くで見られれば、選手は緊張感と集中力が研ぎ澄まされる。スーパープレーも生まれると思う。距離感の錯覚で、攻撃側はゴールから20メートルくらいもシュートゾーンに入ってくる。守備はスローイングに注意。すぐにボールが返ってきて、戻りきらないうちにゴールまで持って行かれることもある。 ―当面の目標は。 J1昇格を目指し、勝たないといけない。アクセル全開に踏み込んだ試合をしたい。 ―来年、広島と長崎は被爆80年を迎えます。 まちの歴史を含めて共通している。やはり早く昇格して広島と(2018年以来の)ピースマッチをもう一度したい。ぜひお待ちください。若い世代も含めて広島と長崎は(親善試合などを)やっている。被爆地にある両クラブは何年たっても続けていかないといけないと考える。 ―事業面で新スタジアムの効果をどう考えていますか。 これだけのスタジアムを運営するのは本当に大変。観客と選手の安全を守り、初戦からしっかり運営する。「最初だから」は許されない。造って終わりではない。民設民営なので収益もしっかり上げる。そうしないと(スタジアム新設が)全国に広がらない。できるだけ親会社(ジャパネットホールディングス)の負担にならないよう、クラブ単体で経営できるようにしていく。それだけの施設は出来上がった。
中国新聞社