【MotoGP】ミル「優遇措置は短期的な助けになっていなかった」ホンダ、2025年こそ制度活かして復活できる?
ホンダは2024年にMotoGPで優遇措置が与えられたが、ライダーのジョアン・ミルはこれが短期的にはアドバンテージをもたらさなかったと考えている。 【動画】MotoGP2024 最終戦ソリダリティGPハイライト MotoGPはこの数年間ホンダとヤマハが苦戦続きの状況にあることから、戦力を拮抗させていくための試みとして、新しい優遇措置の制度(コンセッション)を2024年からスタート。ホンダとヤマハは最も開発において優遇されるメーカーとなった。 優遇措置を受けることでホンダとヤマハは、シーズン中のエンジン開発における自由度が高まり、エアロ開発の回数が増加し、フル参戦ライダーによるプライベートテスト参加が許可されるなど他メーカーよりも規制が緩和されることになる。 しかし2024年シーズンのホンダとヤマハは依然として苦戦が続いた。特にホンダはコンストラクターズランキングは最下位で、獲得ポイントは2023年の185ポイントの半分にも満たない75ポイントに過ぎなかった。 こうした結果を受け、ミルは優遇措置を受けても、それがホンダにとって不振から抜け出すための助けにはならなかったと感じているようだ。 優遇措置を受けていなかったとしたら、ホンダは2024年をどのポジションで終えていたかと訊かれたミルは、「おそらく同じだっただろう」と答えた。 「優遇措置が来シーズンに向けて助けになってくれることを期待しているよ。でも短期的には、何もアドバンテージが得られなかった。結果でそれが分かるだろう」 「速くなるための助けになる良いピースを見つけるための方法を見つけないとだめだ。現時点ではそうはなっていない」 ミルは2024年シーズンを振り返ると、プライベートテストによってかなり多忙となっていたと感じている。そして、フル参戦ライダーがレースウィーク以外にバイクを走らせることに、どんなメリットがあるのか疑問に思っている。 「ファクトリーのライダーがテストをより行なえるようになったけど、僕はこれがアドバンテージになっているとは思わない。なぜならバイクが良ければ、僕のほうが(テストライダーよりも)速いからだ」 「だからこそテストチームというものがあるんだ。僕らがテストに何かしに行って、週の間に1日中留まっていると、精神的に休むことができないんだ」 「テストをして、レースをして、別のテストをしてまたレースに行く……良くなるどころか、悪くなるときもある」 「テストチームはそのためにあるのであって、今強化を図っているところだ。僕らは適切な準備をするために、彼らを活用すべきなんだ。彼らが上手くいっていると考えているものを、グランプリで試せば、それが良いか分かる」 なおホンダは2025年シーズンから、新たにアレイシ・エスパルガロがテストライダーとして加入。さらに中上貴晶も開発ライダーに就任しており、MotoGPでの経験が長く速さもある2人が加わることで、ホンダの開発が加速することが期待されている。 ミルもテストと開発体制の変化と、優遇措置の組み合わせによって、2025年にはホンダがアドバンテージを得られることを期待しているという。 「今年はテストチームが十分には大きくなかった」 「ひとりのテストライダーしかいなかったけど、正直テストチームのインフラは大きく改善できたと思う。それが実行されてきているし、2025年に向けてはとても良いことだと思っている」
Rachit Thukral ,Lorenza D'Adderio