【武雄競輪・GⅢ万博協賛】立部楓真 特別インタビュー 自然と気合がみなぎる初の地元S級戦 28日開幕
2週間で辞めたサラリーマン
――サラリーマン生活はどうでしたか。 「2週間で辞めてしまって、いろんな人に迷惑をかけました。兵庫県の会社だったんですが、夜行バスで帰ってきて、そのまま競輪場へ金ケ江さんに会いに行きました」 ――競輪選手になる覚悟を決めて帰ってきたんですね。 「はい。金ケ江さんや、師匠の古川貴之さん(93期)、大師匠の原司さん(70期)らに見てもらったおかげで、半年の練習で競輪学校(現・日本競輪選手養成所)に合格できました。運動センスとかあまりないので地道にやるタイプ。高校野球が終わってからは熱中するものがなかったんですが、自転車は自分で決心した道だし必死にやれましたね」 ――デビュー2年半でS級に上がりました。 「でも全然通用しなくて、その次期のS級点も取れていなかったので半年でA級に戻りました。甘くなかったですね」
「庸平さんのおかげで強くなれた」
――そこからどう立て直したのですか。 「A級に落ちたころ、荒井崇博さん(82期)=長崎、当時佐賀=に『庸平と一緒に練習したらいい』と言われて、山田庸平さん(94期)にお願いしに行きました。それからはバンクで一緒にやっています。成績が上がったのは庸平さんのおかげです」 ――庸平選手は九州を代表する強い選手です。 「なので、練習は必死でついて行っている感じです。でもいろいろアドバイスももらえるし、ありがたい。それに自分でも考えながら練習するようになりました。A級に落ちたときも、S級点を取るためのレースをするんじゃなくて、S級で勝てるようにやっていたつもりです」 ――今回のGⅢは庸平選手も参加します。 「まずは自分が勝ち上がらないと。連係できるかどうかは別として、自分も結果を残したい」 ――意気込みをお願いします。 「地元なので応援もあるだろうし、気合は勝手に入ると思います。まずは、しっかり準備して臨みたい。そして最低でも準決には上がりたいと思っています」
プロフィル
◆立部楓真(たちべ・ふうま)1998年7月17日生まれの25歳。佐賀県有田町出身。有田工高では野球部。2019年7月、武雄でデビュー(3、5、1着)の115期・佐賀支部。22年1月にS級2班へ初昇級。半年でA級に降格したが、23年7月にS級2班へ復帰。さらに今年7月からは初めてS級1班へ昇班の見込み。優勝は14回を数えるが、S級ではまだない。通算成績は346走108勝(21日現在)。23年8月1日、通算100勝を達成した。師匠は古川貴之(93期)。ホームバンクは武雄。175センチ、85キロ、O型。