創部2年目にして快進撃! クラブ誕生のきっかけはトレーニング場での出会い【GKB応援団:鹿屋体育大学バーベルクラブ】
1年時からひとりもくもくとトレーニングに励む宇治原選手の前に現れたのが同い年で同郷の宮本選手だった。彼もまたトレーニング場に足を運び「常連」となっていた。ふたりが意気投合するのに時間はかからなかった。彼らはウエイトルームで顔なじみになった同志たちを集め、教員に直談判。昨年バーベル部を立ち上げた。創部間もない9月には早速創設者のひとり、宇治原選手が九州学生ボディビル選手権フィジークチャンピオンシップで優勝、さらに同月に行われた第57回全日本学生ボディビル選手権大会のメンズフィジーク176cm以下級で4位入賞をはたしている。 現在の部員数は10数名。競技の特性から毎日の練習は必要ないため、他部との兼部者も複数いる。本格的な活動を初めていきなりの「受賞ラッシュ」だが、ライバル校などは意識しないという。「あえて言えば、日体大、東海大が強いんですが、ライバルって言われても、結局、自己研鑽の競技ですから、あんまり他人は気にしませんね」という答えが返ってきた。 体大ということもあって、学生全体に食に対する意識は高いが、やはり「見た目」がものをいう競技だけに、バーベル部員の意識の高さは別格だ。学生とアルバイトは切っても切れない関係。バーベル部員も講義とトレーニングの一日を終えると、夜はアルバイトに精を出している。本来なら、トレーニング施設のあるジムなどでバイトできれば一石二鳥なのだが、それを叶えているのはひとりだけ。部員の多くは、鹿屋体大生定番の飲食店の店員をしているという。地方都市の鹿屋という土地柄、学生のバイト先はどうしても居酒屋などの飲食店に限られがちになる。鹿屋の町の居酒屋の若いスタッフのほとんどは体大生と思っていいくらいだ。 その飲食店でのバイトは、賄い付きとあって学生にとっては「おいしい」バイトだ。しかし、バーベル部員にとっては、バイト先での賄いはしばしば禁断の誘惑となる。減量が必要な大会が近くなると、賄いは遠慮し、うちに帰って自炊するらしい。 「まあ、バイト中おいしそうなものが目の前を行き来するのを見た上、賄いも遠慮するのは結構つらいですけどね(笑)。うちに帰っての自炊はもう鶏むね肉一択です。スーパーに行けば、鹿児島のソウルフード、鶏たたきもありますし」 全国各地から鹿屋の地に学びにきたバーベル部員は、すっかり鹿児島になじんでいた。