福島県田村市、初のバーチャル昆虫サミット アバターで登場 市長がカブトムシ、養老孟司さんゾウムシ
昆虫を核に地域活性化を目指す福島県田村市は、バーチャルの昆虫サミットを初めて開く。インターネットの仮想現実世界で、市長や小学生らがカブトムシやクワガタなどのアバター(分身)で登場し、命や豊かな自然、環境保全の重要性を発信する。17日に収録し、年度内に動画を完成させ、動画サイトにアップする。田村市の魅力や福島復興なども世界にPRする。 ■17日に動画収録、年度内に完成 白石高司市長や溝畑宏さん(大阪観光局理事長)、養老孟司さん(東大名誉教授)、市内の小学生らが参加する。「いのちを知る」「いのちを育む」「いのちを守る」など八つのテーマで話し合う。 白石市長がカブトムシ、溝畑さんがミヤマクワガタ、養老さんがゾウムシのアバターを使う。 人気の昆虫系ユーチューバーや市内の昆虫博士と呼ばれる小学生も参加する予定で、それぞれヘラクレスオオカブトやオオクワガタ、ゲンゴロウ、トノサマバッタなどに扮(ふん)して意見を交わす。
来年開催の大阪・関西万博で、収録した動画の上映を目指している。国連の持続可能な開発目標(SDGs)を昆虫目線の「ムシディージーズ」に置き換え、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を考える。 事業を企画した市経営戦略デザイナーの渡辺賢一さん(内閣府クールジャパン官民連携プラットフォームディレクター)は「昆虫目線で目標を達成するためのアイデアを考えたい。そして田村市から昆虫を軸とした自然と共生する社会への変革を起こしたい」と話している。