福島市拠点の陸上チーム「FA―JETS」 マスターズで400メートルリレー日本記録 仕事と両立、記録アップ
福島県福島市を拠点に活動する陸上チーム「FA―JETS(エフエージェッツ)」は、社会人が仕事と競技を両立しながら記録を伸ばしているチームとして注目を集めている。今夏には男子短距離陣が驚きの記録を打ち立てた。 7月11日、福島市で開かれた県総合スポーツ大会。マスターズM―24(24歳以下)400メートルリレーで40秒84の日本記録を樹立した。従来の記録は2022(令和4)年7月にチームが別の選手で出した41秒03。2年ぶりに0秒19縮めた。 メンバーは会社員秋山宗大(26)=会津若松市=、会社員沢田夏輝(26)=福島市=、小学校教諭櫛田崇裕(23)=いわき市=、消防士斎藤茉広(24)=福島市=。いずれも高校時代は全国で無名の選手だった。100メートルの自己ベストは10秒6~8台。特に沢田と斎藤は高校まで11秒を切れなかったが、社会人で10秒台を達成した。 チームの設立は2021(令和3)年4月。マスターズ陸上選手の伊藤勝頼さん(47)が代表、日本学生対校選手権200メートルで7位の経験を持つ三木剛さん(46)がコーチを務めている。短距離、投てき、跳躍種目の選手38人が県内外から集まる。居住地や休日が異なるため、個人練習を基本とする。練習メニューや技術、食事はLINE(ライン)で三木さんに相談し、改善点などを仰ぐ。
限られた時間で鍛錬を積む姿は高校生の手本だ。福島商高陸上部の宗像桜介部長(2年)は「短距離でフォームを参考にしている」と頼りにする。県高体連陸上専門部穂積祐司委員長=福島工高教諭=は「選手に技術面で助言を求める高校生は多い」と感謝する。 リレーメンバーは10月の日本選手権出場を目指し、24日開幕の東北総合スポーツ大会に挑む。斎藤は「40秒40の参加標準記録を破りたい」と意気込んでいる。