ボッシュ、SDV時代へ対応し2030年までにソフトウェアによって数十億ユーロ規模の売上高達成へ 「Bosch Tech Day 2024」で新技術発表
■ 2030年までにソフトウェアで数十億ユーロ規模の売上高を目指すボッシュ ロバート・ボッシュは6月19日(現地時間)、ドイツ レニンゲンで「Bosch Tech Day 2024」を開催。SDV(ソフトウェアデファインドビークル)時代へ向けた、新技術の発表を数多く行なった。基調講演において登壇した取締役会会長 シュテファン・ハルトゥング氏は、2030年までにソフトウェアで数十億ユーロ規模の売上高の達成を目指すことを明かした。 【画像】ロバート・ボッシュ 取締役会会長 シュテファン・ハルトゥング氏 ボッシュではソフトウェアエンジニアリングに携わる4万8000人超の従業員のうち、4万2000人がモビリティ事業セクターに従事している。ハルトゥング会長は、「かなり前から、ボッシュはソフトウェア企業でもありました」とボッシュのこれまでの取り組みについて紹介。その例として、最初のソフトウェア製品であるBosch Motronicを挙げ、点火とガソリン噴射を同時に制御するこの制御ユニットが45年前にBMW 732iに搭載され、自動車ソフトウェア時代の到来を告げたという。 現在では、毎年2億5000万個以上のコード化された制御ユニットを提供しており、ハードウェア企業から世界でも有数のソフトウェアプロバイダーへと発展したという。 ■ 「将来的にはあらゆる車両にボッシュのソフトウェアが搭載されるでしょう」 ハルトゥング会長は、「ボッシュの製品に使われているソフトウェアは、人々の生活を向上させる『Invented for life』なテクノロジが駆使されています」と語り、同社のソフトウェア開発の方向性を示す。「ソフトウェアはボッシュにとって単なるアドオンではなく、私たちの成功を支える柱の1つです」「最新の車載コンピュータだけでも、過去3年間で40億ユーロ弱の売り上げになっています」と、ソフトウェア市場の大きさについて説明する。 今後は、ハードウェアとの組み合わせでのソフトウェアだけでなく、ソフトウェアのみによる機能の提供も実施。ボッシュの強みを、「ハードウェアとソフトウェアの両方を熟知しており、自動車エレクトロニクスとクラウドの相互作用に精通している数少ない企業の1つである」と紹介するとともに、「ボッシュの部品を搭載していない車両がほとんどないように、将来的にはあらゆる車両にボッシュのソフトウェアが搭載されるでしょう」と、将来的な見通しを語った。 ボッシュは「Bosch Tech Day 2024」において、ビークルモーションマネジメント、eBrake to zero、データベースサービス、アクトバイワイヤ、ブレーキバイワイヤ、バイワイヤブレーキアクチュエータ、バイワイヤブレーキペダル、ステアバイワイヤといった、SDV時代へ向けた多数のソフトウェア・ハードウェア技術を披露。試乗会も開催して、仕上がりを世界的に公開した。
Car Watch,編集部:谷川 潔
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