値千金の一発!明秀日立が難敵・習志野を破る
後半すぐの一発が勝負を分けた。 球際での激しいバトルがそこかしこで繰り広げられ、両者ともに譲らないままスコアレスで前半を終了。そんな張り詰めた雰囲気のなか、リスタート(CK)のチャンスを生かし、値千金のゴールにつなげたのが明秀日立だった。MF7阿部巧実(3年)からけられたボールを糸口に、最後はMF8柴田健成(3年)がヘッドで押し込んだ。その喜びを体いっぱいに表現していた。 【フォトギャラリー】明秀日立 vs 習志野 関東大会に向けた千葉県予選を優勝し、本大会への切符を手中にしていた習志野だが、結果的にこの1点に泣いた。櫻田常聖監督は、悔しさをにじませつつ、次のように振り返った。 「相手チームに対して“フィジカルが強い”といった印象を持つ人が多いかもしれませんが、僕自身はテクニックとパスワークのうまいチームだなと感じました。なので、そこを寸断するためにどうしたらいいか、いろいろプランを練って臨みましたし、試合全体を通して機能していたのではないかと思います。関東大会は確かに終わってしまいましたが、僕らが進むべき道は続いていくので、そこに向って取り組んでいきたいです」 攻撃面では、たびたびサイドを切り崩し、あと一歩のところまで迫ったが、1点が遠かった。クロスの供給源として右サイドを支える習志野のDF6岡田海裕(2年)は「いちばん大事なところで力を出し切れなかった。もっといいクロスを上げなければいけなかった。自分は体力的にまだまだ足りないし、やるべき課題がたくさんある。すぐにインターハイの県予選も始まるし、この悔しさを次につなげていきたいです」と、前を向いた。 開催地代表のひとつである難敵・習志野を“ウノ・ゼロ”で破り、Aグループ準決勝にコマを進めた明秀日立。攻守のバランスがよく、状況に応じてさまざまな戦い方ができる好チームだ。決勝進出をかけて、強豪の桐生第一(群馬)と激突する。 (文・写真=小室功)